“推し文字”に込めた想いと迫力のデモンストレーションで、観客を魅了
心を写す筆の舞――第34回八潮市書道展が開催
2025年6月6日（金）から8日（日）までの3日間、恒例となった「八潮市書道展」が八潮メセナで開催されました。
今年も会場には、市内外から数多くの書道ファンが訪れ、昨年にも増して力強さや繊細さが際立つ作品の数々が展示され、観る者の心を打ちました。
私たちが伺った日には、八潮市文化協会とのコラボレーション企画として、前回も好評だった「八潮名物 みんなで“デカ書”あなたの推し文字」第二弾が開催されていました。
“推し文字”とは、自分の心に響いた言葉――歌詞の一節やアニメ・漫画の名セリフ、著名人の名言など――を指し、参加者はそれぞれ思い思いのフレーズを、全紙半分サイズの紙に漢字仮名交じり文で大胆に書き上げていきます。
イベント冒頭では、書道家・尾花太虚さんと、三郷市で「書道教室 紅」を主宰する岩井紅果さんによる圧巻のデモンストレーションが行われました。筆を舞うように操り、力強さと繊細さが交錯する線を描くその姿は、まるで舞踏のような美しさと迫力に満ちており、会場の観客からは自然と息を呑むような静寂と、感嘆の拍手が沸き起こりました。
その後、参加者一人ひとりが自ら選んだ“推し文字”を巨大な紙に自由に表現。自身の思いを筆に託し、堂々と書き上げていく様子は、まさに「書は心を映す鏡」であることを実感させられるひとときでした。参加者の表情は真剣そのものでありながら、書き終えた後には笑顔があふれ、会場全体が温かな一体感に包まれていました。
また、会期中には特別イベントとして「筆で願いを」をテーマにした参加型企画も行われました。来場者がそれぞれの「願いごと」を筆で書き綴り、会場内に貼り出すこの催しは、文字を通じて人々の想いを可視化する取り組みとして注目を集めました。これらの「願い文字」は、今後、八潮市役所内にも掲示される予定です。
地域と書をつなぐ文化的なこの催しは、今後も多くの人々に書道の魅力と表現の自由さ、そして文字に込められた思いの力を伝えていくことでしょう。
K’s<webライター>
KPOPや旧ジャニをこよなく愛する4人の母+小学2年生の孫です。
学生時代はREBECCA全盛期バンドを組んでギターを弾いてました。今では聴く専門。
「やしおん」の文化・音楽担当です。
