埼玉のサクラを襲う外来害虫 クビアカツヤカミキリ被害が過去最大規模に

県内初確認は八潮市・草加市 被害は56市町村に広がり自治体では駆除報奨金制度も

埼玉のサクラを襲う外来害虫 クビアカツヤカミキリ被害が過去最大規模に

埼玉県内でサクラなどの樹木を枯らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が急速に拡大しています。埼玉県環境科学国際センターが発表した「クビアカツヤカミキリ発見大調査2025」の結果によると、県内の被害確認地点は過去最多となる1391カ所に達し、被害が確認された自治体も56市町村まで広がりました。

実は埼玉県で初めて被害が確認されたのは2013年。場所は草加市と八潮市を流れる葛西用水沿いのサクラでした。当時は局所的な被害とみられていましたが、その後徐々に分布を広げ、現在では県内のほぼ全域に被害が及ぶ深刻な状況となっています。

クビアカツヤカミキリ

クビアカツヤカミキリ

クビアカツヤカミキリは体長2~4センチほどの大型のカミキリムシで、首元が赤く光沢のある黒い体を持つのが特徴です。サクラやウメ、モモ、スモモなど主にバラ科の樹木に産卵し、ふ化した幼虫は樹木の内部を2~3年かけて食い荒らします。見た目には異常がなくても内部では被害が進行しており、最終的には樹木が枯死してしまうケースも少なくありません。

県内では2018年度から県民参加による「クビアカツヤカミキリ発見大調査」を実施しています。2025年度は57市町村の1483カ所から報告が寄せられ、そのうち56市町村・1391カ所で被害や成虫の確認がありました。前年度の44市町村・931カ所から大幅に増加しており、被害地点数は約1.5倍となっています。

2025年度には所沢市、飯能市、狭山市など12市町村でも新たに被害が確認されました。県環境科学国際センターでは「被害はほぼ県内全域に広がっている」として警戒を呼びかけています。

被害を見つけるポイントの一つが「フラス」と呼ばれる木くずとふんが混ざったものです。褐色でカリントウのような形をしており、樹木の根元などに大量に落ちている場合は、幼虫が木の内部で活動している可能性があります。また、幹や枝に直径2~3センチほどの楕円形の穴が開いている場合は、成虫が羽化して脱出した痕跡の可能性があります。

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フラス

こうした状況を受け、一部自治体では駆除を促進する取り組みとして、捕殺奨励制度や奨励金を交付する動きもあります。

現在、埼玉県環境科学国際センターでは「クビアカツヤカミキリ発見大調査2026」を実施中です。調査対象は主にサクラですが、ウメやモモ、スモモなどの被害情報も受け付けています。成虫の発生時期である6月から8月は特に発見しやすい時期とされており、県民からの情報提供が被害拡大防止の重要な手がかりになります。

八潮市と草加市で最初に確認されてから13年。県内各地へと広がったクビアカツヤカミキリの脅威は、私たちの身近な公園や学校、河川沿いのサクラにも及んでいます。春の美しい桜並木を未来へ残していくためにも、身近な樹木の異変に気付いた際は自治体や関係機関への情報提供に協力してみてはいかがでしょうか。

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