小松菜のレシピ発信、まち歩きを促すカプセルトイ、八潮駅の駅名標活用――3グループが地域を盛り上げるアイデアを発表

2026年7月17日(金)、八潮市役所で、淑徳大学地域創生学部地域創生学科の学生による「地域理解実習・八潮コース」の報告会が開かれました。
学生たちが実習を通して見つけた八潮市の魅力や課題を整理し、市外の人に八潮を知ってもらうためのアイデアを八潮市長へ直接プレゼンテーションする報告会です。
八潮市では、淑徳大学との包括連携協定に基づく取り組みとして、令和5年度から同学部の学生を実習生として受け入れています。学生たちは市内の歴史や文化、産業、農業などを学び、実際に地域へ足を運びながら、八潮の魅力を発見し、まちを盛り上げる方法を考えてきました。
今回も昨年に続いて報告会を取材しましたが、市内で暮らしていると見過ごしてしまいがちな八潮の魅力を、学生ならではの柔軟な視点で捉えた提案が並びました。
「八潮を知ってもらう」ための3つのアイデア

各チーム毎によくつくられたプレゼン資料を基に説明がなされました。

指導されている高木先生
今年の報告会では、「八潮市を知ってもらう」「八潮市の魅力を発見する」といったテーマを軸に、3グループがそれぞれの企画を発表しました。
ひとつ目は、八潮を代表する農産物の一つである小松菜を生かした提案です。
学生たちは、小松菜が栄養価に優れ、一年を通して収穫できる身近な野菜でありながら、調理方法やレシピが十分に知られていない点に着目しました。そこで、小松菜を使った料理を実際に試作し、そのレシピや魅力をまとめたフリーペーパーを制作。市内の農産物直売所などで配布し、小松菜そのものを知ってもらうと同時に、直売所への来店にもつなげようというアイデアです。
八潮市では小松菜が「八潮の八つの野菜」にも選ばれており、市内の直売所から学校給食まで幅広く活用されています。一方で、「いつも同じ食べ方になってしまう」「どう調理すればよいのか分からない」といった声もあるそうです。
レシピという日常的な入口から地元農産物に関心を持ってもらう提案は、生活に取り入れやすく、地産地消や食品ロスへの意識にもつながりそうです。
カプセルトイを回して、八潮のまちを歩く

別のグループからは、八潮駅を降りた人に市内を歩いてもらい、八潮について知ってもらうための企画が発表されました。
提案されたのは、八潮駅の改札付近にオリジナルのカプセルトイを設置する「はっぴーめぐるんちゃマップ」。
カプセルトイから出てくる「探索チケット」とマップを手に、指定されたルートを歩きながら市内の店舗や施設を巡る仕組みを想定。ルートには、八潮市役所やハラール関連の店舗、菊水堂、モンテールの直売所、米粉のバウムクーヘンを扱う店舗など、八潮らしさを感じられるスポットが盛り込まれていました。
単に観光スポットを紹介するだけではなく、「カプセルトイを回す」という遊び心のあるきっかけを用意し、実際に歩いて、立ち寄って、まちを知ってもらう。その発想が面白いところです。
八潮は都心からつくばエクスプレスで訪れやすい一方、駅を降りた後に「どこへ行けばよいのか分からない」と感じる人も少なくないかもしれません。徒歩で巡れるコースが分かりやすく示されれば、市内の回遊や店舗の利用を後押しする企画になりそうです。
八潮駅の駅名標を「まちの入口」に
もうひとつは、つくばエクスプレス八潮駅の駅名標を活用し、市外の人に八潮の魅力を伝える提案です。
学生たちは八潮駅を「八潮市の玄関口」と捉え、駅名標に八潮の文化や自然、季節の風景などを取り入れたデザイン案を考えました。
資料では、八潮の桜や中川周辺の風景、地域の歴史や文化を感じさせるイラストなどを組み合わせた案が紹介されています。季節やイベントに合わせてデザインを変更することで、電車を利用する人に八潮を印象付け、駅で写真を撮ったり、その先の地域へ関心を持ったりするきっかけをつくる構想です。
駅名標は、電車を利用する多くの人が自然と目にする場所です。大がかりな観光施設ではなく、日常的に使われる駅の設備に目を向けたところにも、学生らしい着眼点が感じられました。
市内に住んでいるからこそ気付かなかった八潮の姿


大山八潮市長
3グループの発表は、小松菜、まち歩き、駅名標と、それぞれまったく異なる方向から八潮へアプローチしたものでした。
市内で暮らしている私たちにとっては当たり前になっている農産物や店舗、駅、地域の風景も、市外から訪れた学生の目には、まだ広く知られていない魅力として映ります。
「なるほど、そこに注目したのか」と、まさに目から鱗が落ちるような提案もありました。
プレゼンテーション資料は、事前にリハーサルを重ねたことが伝わる丁寧な仕上がりでした。発表後には市長から各企画に対する質問やアドバイスもあり、実現する場合の課題や、誰にどのように届けるのかといった点について意見が交わされました。
今回の提案がそのまま事業化されると決まったわけではありませんが、市長からの助言や検討会で得た気付きを持ち帰り、今後さらに企画を磨いていくことになりそうです。
10月の学園祭では「八潮塩焼きそば」が再登場予定

昨年の淑徳大学埼玉キャンパスの学園祭の様子
学生たちの活動は、今回の報告会だけでは終わりません。
2026年10月25日(日)・26日(月)に予定されている淑徳大学埼玉キャンパスの学園祭では、昨年に続き「八潮塩焼きそば」を出店する予定です。今年は内容をさらにパワーアップさせるほか、八潮市内の事業者にも協力を仰ぎ、八潮の魅力を詰め込んだ特別企画や「ご当地ドリンク」なども準備しているとのことです。
現時点では詳細を検討している段階ですが、「どのような人に届けたいのか」「どうすれば八潮の魅力がもっと伝わるのか」を学生同士で話し合いながら、準備が進められています。
八潮を外から見つめた若い世代が、地域で学び、地元の人と関わりながら、その魅力を自分たちの言葉とアイデアで発信していく。こうした活動は、私たちが住むまちを改めて見つめ直すきっかけにもなります。
報告会で披露されたアイデアがこれからどのように磨かれ、学園祭や今後の地域活動につながっていくのか。学生たちの挑戦を、引き続き応援していきたいですね。
<Hacchinさん>ライター
「やしおん」運営代表。ずっと八潮の人。草加、三郷、足立、葛飾などが生活エリアです。ITやメディアのベンチャー企業に長らく在籍し、本職は小さなゲーム会社の管理部長。市内外のいろんなイベントに出没してネタ探ししてます。BBQインストラクターです。












