庁内で処理が完結する「Sovereign GaiXer」を採用 会議録や計画策定など行政業務への活用を拡大へ

草加市役所
草加市が、これまで生成AIの利用が難しかった「個人情報や機密情報を扱う業務」に、本格的にAIを活用する取り組みを始めました。
草加市と株式会社FIXERは、同社が提供するオンプレミス型生成AIサービス「Sovereign GaiXer(ソブリン ガイザー)」を市が導入したと発表しました。両者の発表によると、この製品を自治体が導入するのは全国で初めてとしています。
これまでは「個人情報を生成AIに入力しない」がルール
草加市ではこれまでにも、AI-OCRやAI翻訳をはじめ、さまざまなAIツールや生成AIサービスを行政業務に取り入れてきました。
ただ、そこで課題になっていたのが、やはり個人情報や機密情報の扱いです。
一般的なクラウド型の生成AIは、入力した情報をインターネット経由で外部のシステムへ送信して処理します。そのため草加市では、情報保護の観点から生成AIへの個人情報などの入力を禁止していました。
便利な生成AIがあっても、市役所の仕事には市民の個人情報を扱う業務が少なくありません。「使いたくても使える場面が限られる」という状況があったわけです。
データを外に出さず、市役所の中でAI処理
今回導入された「Sovereign GaiXer」の大きな特徴は、インターネット上のクラウドサービスではなく、市役所内に設置した機器でAIの処理を行う「オンプレミス型」であることです。
少し聞き慣れない「オンプレミス型」ですが、簡単に言えば、外部のインターネットサービスにデータを預けるのではなく、自分たちの施設内にサーバーや機器を置いて、その中でデータを処理する仕組みです。
例えば、一般的なクラウド型AIでは、入力した文章やデータがインターネットを通じて外部のデータセンターへ送られ、そこでAIが処理します。一方、オンプレミス型では、処理に使うAI環境そのものを庁内に置くため、情報を外部へ送信せずに利用できる点が大きな違いです。
市役所に置き換えて考えると、「外部のAIサービスに書類を持ち出して処理してもらう」のではなく、「市役所の中に専用のAIを置き、その場で処理する」といったイメージです。
こうした仕組みにすることで、個人情報や機密情報を庁外へ送信することなく生成AIを利用でき、これまで活用が難しかった業務にもAIを取り入れやすくなります。
AI導入の目的は、職員の仕事を「置き換える」ことではなく

草加市が今回の導入背景として挙げているのは、少子高齢化などに伴う人手不足への対応と、行政サービスの維持・向上です。
会議録や資料の下書きなど、これまで職員が時間をかけていた作業をAIで効率化できれば、その分、市民への対応や企画、判断が必要な仕事へ時間を振り向けることができます。
生成AIというと、つい「仕事がAIに置き換わる」という話に目が向きがちですが、今回の取り組みはむしろ、職員の事務負担を減らし、人にしかできない仕事へ時間を使える環境をつくることが狙いといえそうです。
もちろん、個人情報を扱える環境になったからといって、すべてをAI任せにできるわけではありません。情報管理や利用ルール、人による確認を含め、どのように運用していくかも重要になります。
それでも、これまで「個人情報があるため生成AIを使えない」とされてきた行政業務に活用範囲が広がることは、大きな変化です。
草加市では、今回の導入を通じてさらなる業務効率化を進め、市民サービスの向上につながる持続可能な業務改革を進めていくとしています。
八潮市のお隣、草加市で始まった全国自治体初とされる今回の取り組み。生成AIを「使うか、使わないか」から、「大切な情報を守りながら、どう使うか」へ――。自治体におけるAI活用が、次の段階へ進み始めています。
出典・発表日
草加市「【全国自治体初】個人情報を守る『生成AI』を導入」(2026年8月26日更新)
株式会社FIXER「オンプレミス型生成AIサービス『Sovereign GaiXer』を埼玉県草加市が導入」(2026年8月28日発表)
※「全国自治体初」は草加市および株式会社FIXERの発表に基づく表現です。
<Hacchinさん>
「やしおん」運営代表。ずっと八潮の人。30年近くネットの世界にいます。現在本職は小さなゲーム会社の管理部長。BBQインストラクター資格。とある町会役員。
八潮市の他、生活エリアである近隣の情報など拾っています。











