県内63市町村のうち不交付は3市1町。八潮市には地方特例交付金約1億5,831万円が交付されます

埼玉県庁
埼玉県は2026年7月24日、令和8年度(2026年度)の市町村分における普通交付税の算定結果を発表しました。
県内市町村への交付額は、前年度の当初算定と比べて約145億円、率にして7.0%増加。総額は2,209億9,226万2千円となり、8年連続で前年度を上回りました。
県内全体では交付額が伸びる一方、八潮市の普通交付税は今年度も0円です。八潮市は令和4年度(2022年度)から5年連続で「不交付団体」となりました。
八潮市は県内4団体だけの「不交付団体」
令和8年度に普通交付税が交付されない自治体は、県内63市町村のうち次の3市1町です。
- 戸田市(44年連続)
- 和光市(11年連続)
- 八潮市(5年連続)
- 三芳町(5年連続)
不交付団体の数は前年度と同じ4団体でした。
「不交付」と聞くと、国から支援を受けられないような印象を持つかもしれません。しかし、これは自治体の財政が苦しいから交付されないという意味ではありません。
普通交付税は、自治体が標準的な行政サービスを提供するために必要と見込まれる「基準財政需要額」から、税収などによって得られると見込まれる「基準財政収入額」を差し引き、財源不足が生じる自治体へ国が交付するものです。
八潮市は、この算定上では標準的な収入によって必要な経費を賄えると判断されたため、普通交付税が交付されません。
ただし、不交付団体であることが、そのまま「市の財政に十分な余裕がある」ことを意味するわけではありません。実際の市政では、公共施設の整備や維持管理、子育て支援、福祉、防災など、地域固有のさまざまな支出が発生します。あくまで国が定めた共通の基準による算定結果として見る必要があります。
八潮市には地方特例交付金約1億5,831万円

八潮市役所
普通交付税とは別に交付される「地方特例交付金」については、八潮市への令和8年度の交付額が1億5,831万円となりました。
前年度の1億1,036万6千円と比べて4,794万4千円、率にして43.4%の増加です。
このため、普通交付税が0円だからといって、国などから八潮市への財政的な交付がすべてなくなるわけではありません。地方特例交付金をはじめ、目的や仕組みの異なる複数の財源が自治体運営を支えています。
草加市は約38億円、三郷市は約17億円
八潮市周辺の自治体を見ると、普通交付税の算定結果には大きな違いが表れています。
草加市は38億1,051万5千円で、前年度の当初算定から約5億4,738万円増加。増加率は16.8%でした。
三郷市は16億9,870万6千円で、前年度から約1億2,313万円減少し、6.8%減。吉川市も26億6,277万8千円となり、前年度から約8,977万円、率にして3.3%減少しています。
越谷市は90億2,897万8千円で、前年度より約10億3,587万円、13.0%増えました。県内では、さいたま市、春日部市に次いで3番目に多い交付額です。
隣接・近接する自治体であっても、人口構成や税収、行政サービスに必要とされる経費などが異なるため、交付額にはかなりの差が生じます。
物価高や給与改定などで行政経費が増加
県内全体の普通交付税が増えた主な理由は、自治体の標準的な支出を示す基準財政需要額の伸びです。
不交付団体を除いた基準財政需要額は、前年度より約741億円増加しました。臨時財政対策債の償還に必要な財源として「臨時財政対策債償還基金費」が令和8年度に限って設けられたほか、給与改定や物価高への対応、子ども・子育てに関する経費の増加などが影響しています。
一方、自治体の標準的な収入を示す基準財政収入額も、地方消費税交付金や市町村民税、固定資産税の増加などにより、約593億円伸びました。
収入の増加幅よりも必要経費の増加幅が大きかったため、その差を埋める普通交付税が県内全体で約145億円増える結果となりました。
なお、自治体の財源不足を補うために発行する臨時財政対策債は、前年度に続き、新規発行可能額が0円となっています。
数字を見る際は「当初算定」との比較に注意
今回発表された前年度比は、令和7年度の最終的な交付額ではなく、2025年7月に決定した「当初算定」との比較です。
令和7年度は同年12月に再算定が行われ、埼玉県内市町村の最終決定額が当初算定から約350億円増加しました。そのため、「7.0%増」という数字は、前年度の最終額との比較ではないことに注意が必要です。
普通交付税は、少し難しく感じる制度かもしれません。しかし、その財源は福祉や教育、道路整備、ごみ処理、防災など、私たちの暮らしに欠かせない行政サービスにつながっています。
5年連続で不交付団体となった八潮市。今後、その財政力をどのように地域の課題解決や将来への投資につなげていくのか、市の予算や決算とあわせて見ていきたいところです。
<Hacchinさん>
「やしおん」運営代表。ずっと八潮の人。30年近くネットの世界にいます。長年ベンチャー企業でエンタメ業界や株式公開など、色々ともまれまして、現在本職は小さなゲーム会社の管理部長。BBQインストラクター資格。とある町会役員。














