例年より早く見頃を迎えたハスをはじめ、絶滅危惧種のオニバスや午前中だけ咲くアサザも公開中。夏の水元公園を歩いてきました。

7月3日撮影
夏の訪れを感じさせる花といえば、やはりハスではないでしょうか。
東京都葛飾区の水元公園では、例年より少し早くハスが見頃を迎え、美しい景色が広がっています。淡いピンク色の花が風に揺れる姿はもちろん、ほんのりと漂う甘い香りも、この季節ならではの楽しみです。
さらに園内では、絶滅危惧種に指定されている「オニバス」や、朝だけ花を開く希少な「アサザ」も公開中。それぞれ公開時間や見られる場所が異なり、水元公園ならではの夏の自然に出会うことができます。
今回は実際に園内を歩きながら、見頃を迎えたハスや希少な水生植物の様子をレポートします。朝だからこそ出会える、夏だけの美しい風景をご紹介します。
小合溜の東側にある第二駐車場に車を止めると、その奥に水辺の生きもの館が見えてきます。建物を回り込んだ先に広がるのは、淡いピンク色に染まるハス池。思わず歓声を上げたくなるような美しい景色が迎えてくれます。
ここは、かつて東京都水産試験場養魚場跡の池。現在は、都内屈指のハス(和蓮)の名所として、多くの人が訪れています。
ハスの花がもっとも美しく咲くのは、朝の7〜9時頃といわれています。
一日のうちでいちばん大きく花びらを広げ、色と香りが際立つ時間です。
朝にそっと開き、昼には静かに閉じる姿を数日間くり返し、4日ほどでその一生を終えます。
1日目は、花びらが少しだけ開く初咲きの姿。
2日目には大きく花開き、最も華やかな姿を見せます。
3日目はさらに堂々と咲き、花粉も多く見られます。
4日目になると花びらが散り始め、シャワーヘッドのような形をした花托(かたく)が残ります。

7月3日撮影
そのため、ハス池では初々しい花から満開の花、散り際の花まで、毎日さまざまな表情を楽しむことができます。
ハス池を歩いていると、ふと甘く上品な香りが漂い、思わず爽やかな朝の空気を胸いっぱいに吸い込みたくなりました。
ハス池の奥には、7月と8月にのみ公開される「オニバス池」と「ごんぱち池」があります。「ごんぱち池」では、全国的に生育地が減少しているアサザに出会うことができる貴重な場所です。
「ごんぱち池」のアサザ

7月4日撮影
少し離れた水際では、小さな黄色い花がまっすぐに花びらを広げ、静かで優しい風景が広がっていました。職員の方が花の数を数えておられ、この日は約1,500輪以下とのこと。最盛期には1万輪を超える花が咲くこともあるそうです。アサザの見頃は、まだこれから。池いっぱいに黄色い花が広がる景色に出会える日が楽しみです。
アサザが見られる「ごんぱち池」の公開は、午前9時から10時までの1時間だけ。しかもアサザは一日花で、朝に開き始め、午後、または暑い日には午前中のうちに閉じてしまうといいます。
少し早起きして、この時だけ出会える可憐なアサザを訪ねてみませんか。朝の水面に咲く、小さな黄色い花が迎えてくれます。

7月4日撮影
かつては各地の池や沼で見られましたが、水質の悪化や護岸整備などにより、生育地は年々減少しているようです。だからこそ、水元公園で大切に育てられたアサザが花開く風景は、とても貴重なものといえるでしょう。
「オニバス池」

ハス池奥の「オニバス池」7月3日撮影
ここは少し不思議な世界!
ハスの華やかな美しさ、アサザの可憐さとはまた違い、オニバスには力強い生命力を感じます。若い葉は先に開いた葉を押しのけながら水面へと広がり、花芽の上に葉があれば、その葉を突き破って顔を出し花を咲かせます。自然のたくましさに驚かされる光景です。

7月3日撮影
花は小さな紫色ですが、咲き始めの1日目は白っぽい雌花として夕方から夜にかけて開きます。そして2日目には雄花となり、その役目を終えてしぼんでいきます。
オニバスは一年草です。毎年秋には枯れ、翌年は種から新しい命が育ちます。今年は順調に生育し、たくさんの花を咲かせていますが、生育状況によっては公開されない年もあるそうです。それだけ、その年の自然環境に左右される植物でもあります。

オニバス池の入口付近には、葉に触れられる展示があります。7月3日撮影
葉の表面には想像以上に鋭いとげが並び、その鋭さに驚きました。葉の表裏や花芽を覆う苞にもとげがあり、カモなどの水鳥や植物を食べる魚などから身を守るためと考えられています。オニバスには、野生で生き抜くための知恵が詰まっていました。オニバスは環境省や埼玉県などで絶滅危惧種に指定されている、とても希少な植物です。大きな葉や花の不思議な姿だけでなく、その命を未来へつなぐための取り組みにも思いを寄せながら観察すると、また違った魅力に気づくことができそうです。
「水生植物園」のハス

7月9日撮影
夏の日差しが戻ってきたこの日、朝6時過ぎに水生植物園へ到着しました。
周辺には大きな木が多く、ハス池は西側から少しずつ朝日を浴び、花が次第に輝きを増していくようでした。水産試験場養魚場跡の池と比べるとアシなども多く、より自然な雰囲気が感じられます。
「小合溜」のハス

7月9日撮影
グリーンプラザ奥の「小合溜」では、一面にハスの花が広がり、朝日を浴びてきらめいていました。清らかな白いハスも咲いており、水元公園では数が少ないこともあって、ひときわ目を引く存在です。

7月9日撮影
水辺に近づくと、カモたちが大きな羽音を響かせながら動き始めました。

7月9日撮影
見事に広がる一面のハスの花、爽やかでほんのり甘い香り、そして朝日をいっぱいに浴びて輝く風景。そんな夏の朝ならではの、ゆったりと流れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
公園でお話を伺うと、「今年は例年より咲き始めが早いですね」とのことでした。
「オニバス池」とアサザの「ごんぱち池」の解放は8月末まで予定されていますが、ハスはすでに見頃を迎えています。
水辺を吹き抜ける朝の風と、咲き誇る花々に包まれるひとときは、この時期だけの特別なご褒美です。近隣の八潮市からもアクセスしやすいので、夏の朝のお出かけ先として訪れてみてはいかがでしょうか。
2026年の一般開放:7月1日(水)~8月31日(月)
- アサザ:ごんぱち池 9:00~10:00
- オニバス:オニバス17号池・18号池 9:00~14:30
- 花ハスは、いつでも見ることができます。
※ 水産試験場養魚場跡の池・オニバス池・ごんぱち池 から、水性植物園・小合溜の花ハスまでは、経路に寄りますが3kmほどの距離があります。
都立水元公園
- 入園料:無料
- 交通案内:JR常磐線「金町」・京成金町線「京成金町」から京成バス(戸ヶ崎操車場または西水元三丁目行き)「水元公園」下車 公園入口まで徒歩7分
※ 3月~11月(土日祝日) 9:00~16:00金町駅発着で公園沿いを走る循環バス運行。
TX八潮駅南口バス乗り場より (金61系統) 金町駅行「水元公園」下車 公園入口まで徒歩7分 - 駐車場:24時間営業
- 最初の1時間:300円、以後20分ごと:100円、入庫後12時間最大:1,200円)
- 水産試験場養魚場跡の池、オニバス池、ごんぱち池は、第二駐車場が便利ですが、一方通行のため八潮市からは少し遠まわりになります。
- 問い合わせ先は「水元公園サービスセンター」:03-3607-8321
東京都葛飾区水元公園3-2
▶水元公園HP
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八潮市に住み始めて、はじめは何も無いと思ったこのまちで多くの方に出会い、気がつけば八潮が大切な地元になっています。この町の魅力を大切に、一つ一つ伝えていきたいと思っています。
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