国交省が発生件数と要因を新たに公表 市町村道が約9800件、都市部では下水道など「道路の下」にある施設の影響も

八潮市 道路陥没事故現場の当時の様子
国土交通省は2026年8月26日、2025年度に全国で発生した道路陥没について、直轄国道、都道府県管理道路、市町村管理道路を合わせて1万1,227件に上ったことを明らかにしました。
八潮市では2025年1月、中央一丁目の県道で大規模な道路陥没事故が発生しています。地域にとって「道路の下で何が起きているのか」は、決して遠い話ではありません。
今回公表された「道路メンテナンス年報」では、道路陥没の発生件数だけでなく、その要因についても新たに整理されています。数字を見ていくと、道路陥没が下水道だけの問題ではない一方、都市部では地下に埋設された施設が原因となるケースが目立つことも見えてきます。
2025年度の道路陥没は全国で1万1,227件
国土交通省によると、2025年度に確認された道路陥没は、
直轄国道が101件、都道府県管理道路が1,282件、市町村管理道路が9,844件でした。単純に合計すると1万1,227件となり、その大半を市町村が管理する道路が占めています。なお、今回の集計には一般的な舗装の穴、いわゆる「ポットホール」は含まれていません。
原因を見ると、国土交通省は「道路排水施設」「下水道」「上水道」など、水が流れる施設に関係する陥没が多いと説明しています。
なかでも目立つのが道路排水施設です。市町村管理道路では9,844件のうち4,054件が道路排水施設に関連するものでした。一方、下水道に起因するものは1,210件。原因がまだ確定していないものも2,550件あります。
つまり、「道路陥没=下水道の老朽化」と一括りにできるわけではありません。道路そのものに付随する排水設備や河川施設、上水道、電力、ガス、通信設備など、地下にはさまざまな施設があり、原因も多岐にわたっています。
ただし都市部では「下水道」の割合が高まる
少し様子が変わるのが都市部です。
国土交通省は、都市部で発生した道路陥没について、道路全体と比べて水道や下水道、電力、ガスなどの「道路占用物件」を原因とする割合が大きく、特に下水道による陥没が多いとしています。
例えば政令指定都市が管理する道路では、2025年度の陥没2,455件のうち546件が下水道に起因。東京都の特別区が管理する道路では198件のうち89件が下水道によるもので、道路占用物件を原因とする割合は49%に達しています。
建物や道路、地下インフラが密集する都市部では、道路の表面だけを見ていても分からないリスクがあることが、今回のデータからもうかがえます。
八潮市で起きた大規模陥没事故との違いは

八潮市中央一丁目道路陥没事故 直後の様子
八潮市では2025年1月28日、県道松戸草加線の中央一丁目交差点で道路が陥没し、走行中のトラックが転落する事故が発生しました。
埼玉県は事故当初、中川流域下水道の下水道管の破損に起因するとみられる陥没として発表しています。発生当初に公表された陥没の規模は直径約9~10メートル、深さ約5メートルでした。
その後、国土交通省は八潮市の事故を受け、大規模な下水道管路を対象とした緊急点検や路面下の空洞調査を実施するなど、全国的な対策を進めています。
ここで注意しておきたいのは、八潮市の事故そのものは今回発表された「2025年度1万1,227件」の中には含まれていないという点です。
八潮市の事故が発生したのは2025年1月28日で、年度としては2024年度に当たります。今回発表された数字は、その後の2025年度に発生した道路陥没をまとめたものです。
それでも、八潮市で大きな事故を経験した地域にとって、全国で年間1万件を超える道路陥没が発生しているという数字は、身近なインフラを考えるうえで気になる結果ではないでしょうか。
「見えない空洞」をどう見つけるか 全国で調査も
道路陥没を未然に防ぐには、地表に異変が現れる前に地下の空洞や施設の異常を見つける必要があります。
国土交通省が2025年度に直轄国道で実施した路面下空洞調査では、2,788キロメートルを調査し、8,419か所の空洞を確認しました。
このうち、路面陥没の可能性が高い「区分A」と判定されたのは194か所。国土交通省によると、194か所すべてで修繕などに着手しています。
道路は毎日のように使うものですが、その安全を支えているのはアスファルトだけではありません。その下には排水設備や上下水道、ガス、通信など、多くのインフラが張り巡らされています。
八潮市での事故以降、道路の地下にあるインフラへの関心はこれまで以上に高まりました。今回示された1万1,227件という数字は、道路陥没が一部の地域だけの特殊な出来事ではないことを改めて示しています。
事故を起こさないために、どのように点検し、異常を早期に見つけ、更新していくのか。全国で進められている対策の行方は、八潮市に暮らす人にとっても引き続き注目したいテーマです。
出典・公表日
国土交通省「橋梁等の2025年度(令和7年度)点検結果をとりまとめ~道路メンテナンス年報(3巡目2年目)の公表~」2026年8月26日公表。
<Hacchinさん>
「やしおん」運営代表。ずっと八潮の人。30年近くネットの世界にいます。現在本職は小さなゲーム会社の管理部長。BBQインストラクター資格。とある町会役員。
八潮市の他、生活エリアである近隣の情報など拾っています。












