一般会計471億1,000万円、前年度比7.2%増。新設小学校や給食費負担軽減、保育・福祉施策など、暮らしに関わる重点事業をわかりやすく整理

八潮市役所
令和8年度予算の全体像
八潮市が今年2月27日に公表した令和8年度当初予算案について、注目点をピックアップし、紐解いてみようと思います。
今回公表された令和8年度当初予算案では、一般会計で471億1,000万円。前年度の439億6,000万円から31億5,000万円増え、伸び率は7.2%となりました。
今回の予算案は、第6次八潮市総合計画のスタートとなる初年度の予算として位置づけられています。「住みやすさナンバー1のまち八潮」を目標に、教育環境の整備、子育て支援、防災、都市基盤整備など、市民生活に直結する分野に重点を置いた編成となっています。
歳入の特徴 市税が4割を占める構造

八潮市公式サイトより
歳入では、市税が約191億円で全体の約4割を占め、最も大きな財源となっています。次いで国庫支出金、市債、繰入金、県支出金などが続きます。
一方で、八潮市は令和7年度に続き普通交付税の不交付団体となる見込みであり、必要な財源は市債の発行や基金の取り崩しなどを組み合わせて確保する形になります。人口増加や都市開発の影響で市税収入は比較的安定しているものの、財政運営には引き続き慎重な判断が求められる状況です。
歳出の特徴 福祉と教育に重点

八潮市公式サイトより
歳出の内訳を見ると、最も大きいのは民生費で約200億円。全体の4割以上を占めており、福祉や子育て支援の比重が高いことが分かります。
次いで教育費が約82億円、総務費や土木費が続きます。中でも教育費は前年度より大きく増加しており、これは新設小学校の建設など大型事業が進んでいることが大きな要因です。
福祉と教育の両分野が、今回の予算の柱になっていると言えるでしょう。
八潮で48年ぶりとなる新設小学校

今回の予算の中でも特に大きな事業が、新設小学校の整備です。
八潮駅周辺では人口増加に伴い児童数が増えており、既存小学校では教室不足が課題となっていました。その解消を目的に、市内では約48年ぶりとなる新しい小学校が整備されています。
令和9年度の開校を目指して工事が進められており、令和8年度は建設工事の最終段階。校舎や外構工事に加え、電気設備や機械設備、学校図書や教材、机や椅子などの備品整備も進められます。
単なる建物整備にとどまらず、開校後すぐに学校生活がスタートできるよう、環境づくりが進められているのが特徴です。
小学校給食費の実質無償化

学校給食 イメージ
子育て世帯にとって大きな関心事となりそうなのが、小学校給食費の負担軽減です。
令和8年度から、市立小学校に通う児童の給食費について、国の交付金を活用して実質的な無償化が実施されます。対象は市立小学校に在籍する児童で、所得制限はありません。
支援額は児童1人あたり月額およそ5,400円程度。これまで家庭が負担していた給食費が軽減されることで、子育て世帯の家計負担の緩和につながると期待されています。
物価上昇が続く中、日常生活に直接影響する支援策のひとつと言えるでしょう。
未就園児も利用できる「こども誰でも通園制度」

新たな子育て支援として始まるのが「こども誰でも通園制度」です。
これは、保育所などに通っていない未就園児を対象に、保護者の就労状況に関係なく一時的に預けることができる制度です。
対象は0歳6か月から満3歳未満の子どもで、利用は月10時間まで。利用料金は1時間300円を予定しています。
まずは市内1施設からスタートし、状況を見ながら拡充していく予定です。子育て家庭の孤立防止や、保護者のリフレッシュ、社会参加のきっかけづくりとしても注目されています。
学童保育と放課後の居場所づくりを拡充

新設学童保育所 完成予想パース
共働き家庭の増加に伴い、放課後の居場所づくりも重要なテーマとなっています。
令和8年度は学童保育所の定員拡大が予定されており、複数の施設で受け入れ人数を増やします。さらに、新設小学校の開校に合わせて新たな学童保育所も整備されます。
加えて、小学校の体育館や校庭などを活用した「放課後子ども教室」も実施予定です。地域のボランティアの協力を得ながら、子どもたちが安全に過ごせる場を提供します。
いわゆる「小1の壁」への対応としても重要な取り組みです。
保育施設整備で待機児童対策を強化

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保育分野では、古新田保育所の建て替えが大きな事業となります。
新しい保育所は令和9年1月の開所予定で、定員は85人。老朽化した施設を更新し、より安全で快適な保育環境を整えます。
さらに、民間の認可保育所の新設や認定こども園の改築に対する補助も実施されます。
これにより保育定員の拡充が進み、待機児童対策や多様な保育ニーズへの対応が期待されています。
5歳児健診の開始で発達支援を強化

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乳幼児支援では、新たに「5歳児健診」が始まります。
対象は5歳児で、小学校入学前の時期に発達状況を確認する健診です。
言葉の理解や社会性などが大きく伸びる時期にチェックを行うことで、発達特性の早期発見や必要な支援につなげることを目的としています。
就学前に支援体制を整えやすくなるため、保護者にとっても安心材料となる取り組みです。
医療・健康分野の新しい取り組み

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健康分野では、肺がん検診の受診方法が拡充されます。
これまで保健センターで行われる集団検診が中心でしたが、医療機関での個別検診も選べるようになります。
また、RSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンの定期接種も始まります。妊婦が接種することで、生まれてくる赤ちゃんの重症化予防につながるとされています。
市民の健康を守るための予防医療にも力が入れられています。
高齢者支援として商品券を配布

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高齢者支援では、75歳以上の市民を対象にプレミアム付商品券が配布される予定です。
対象者1人あたり6,000円分の商品券が交付され、申請は不要。対象者へ直接郵送される予定です。
生活支援とともに、市内店舗での消費を促すことで地域経済の活性化も期待されています。
生活に直結する施策が並ぶ新年度予算
こうして見ていくと、令和8年度の八潮市予算案は、将来のまちづくりと市民生活の支援の両方を意識した内容になっています。
新設小学校や保育施設の整備など将来に向けた投資と、給食費負担軽減や商品券のような日常生活を支える施策が同時に進められています。
人口増加が続く八潮市にとって、教育・子育て環境の充実はまちの魅力にも直結する重要なテーマです。
これらの事業がどのように実現し、市民の暮らしにどんな変化をもたらしていくのか。令和8年度は、八潮市の次のステージを形づくる一年になりそうです。













