資料不足の指摘受け慎重判断 知事「丁寧な議論に時間を」

埼玉県庁
老朽化が進む埼玉県庁本庁舎の再整備をめぐり、県は予定していた「新たな庁舎の位置決定」を延期することを明らかにしました。2月26日の県議会で、大野元裕知事が答弁したものです。
県はこれまで、2025年度中に再整備の場所を決める方針を示してきました。しかし、検討を重ねる中で資料の不足が指摘されたことから、「慎重を期すべきだ」と判断。決定時期を見直すことになりました。
現在地と浦和美園の2地点に絞って比較
再整備の候補地は、
・現在の県庁所在地(さいたま市浦和区)
・浦和美園地区(さいたま市緑区の県有地)
の2か所に絞られています。
県は2024年度末にこの2地点へ絞り込み、利便性や危機管理体制、整備コストなど複数の評価項目で比較する方針を提示。2025年1月に公表された比較評価では、複数の委員から「現在地が妥当ではないか」との見解も示されました。
一方で、
「比較の前提資料が現在地案に有利な内容になっているのではないか」
「現在地案は工期が長く、資材高騰のリスクがあるのではないか」
といった意見も出され、議論は一枚岩とはなっていません。
「公平な資料を」と県議が指摘
県議会では、田村琢実県議が「公平な比較資料を再作成し、改めて懇話会や県民の意見を聞くべきだ」と質問。年度内決定にこだわらず、丁寧なプロセスを求めました。
これに対し大野知事は、資料は信頼できる情報を基に中立性を保って作成したとしつつも、「浦和美園地区の将来性や整備コストに関する資料が十分でないとの指摘があった」と説明。追加資料を整えたうえで、改めて議論を重ねる考えを示しました。
基本計画は2026年度中に策定へ
位置の決定は延期されましたが、県としては2026年度中に再整備の基本計画をまとめる方針です。
県庁舎は県政の中枢を担う施設であり、災害時の拠点としての機能も重要になります。利便性や防災性、将来のまちづくりとの整合性など、検討すべき視点は多岐にわたります。
「どこに建てるか」は単なる場所選びではなく、これからの埼玉の姿をどう描くかという問いでもあります。時間をかけた議論の先に、県民が納得できる結論が導かれるのか。今後の検討の行方が注目されます。











