「りんご病」感染防止へ 咳エチケット・手洗いの徹底を呼びかけ 妊娠中の方は特に注意を
埼玉県は、令和7年4月21日から4月27日までの1週間において、県内で伝染性紅斑(通称:りんご病)の報告数が国の警報基準を超えたことを受け、流行警報を発令しました。県によると、医療機関(定点)1か所あたりの報告数は2.14人となり、基準値(2人)を上回りました。これは、3月下旬からの増加傾向が続いていたことを裏付ける結果となります。
保健所別の報告数では、熊谷保健所が5.20人と最も多く、続いて狭山保健所4.80人、本庄保健所4.67人と、高い水準を記録しています。
伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19による感染症で、両頬に境界がはっきりした赤い発疹が現れるのが特徴です。この発疹は、子どもに顕著に見られる一方で、大人が感染すると関節痛や頭痛などの症状が出ることがあり、一時的に歩行が困難になる場合もあります。多くの場合、特別な治療を必要とせず、自然に回復します。
しかし、妊娠中の感染では、まれに胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊婦や妊娠の可能性がある方には特に注意が呼びかけられています。
感染の主な経路は、飛沫感染や接触感染です。発疹が出る1週間ほど前の微熱や風邪症状が出ている時期が、最も感染力が強いとされており、知らないうちに感染が広がるリスクがあります。
【感染予防のポイント】
- 咳エチケットの徹底: マスクの着用や、咳・くしゃみを他人に向けない配慮を
- 外出後の手洗い: 石けんと流水での手洗いが有効。アルコール消毒は効果が限定的
- 妊娠中の方との接触回避: 症状のある人との接触を避け、感染防止に努める
伝染性紅斑が疑われる症状がある場合は、周囲への感染拡大を防ぐためにも早めの医療機関受診を推奨します。
県では、引き続き感染動向を注視し、埼玉県医師会協力のもと、111の定点医療機関からの情報をもとに状況の把握を進めています。
詳細や最新情報は、以下の県および国の感染症関連サイトをご参照ください。
- 埼玉県感染症情報センター:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/index.html
- 国立感染症研究所「伝染性紅斑とは」:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/443-5th-disease.html