安全・安定・安心輸送の維持と設備投資のため平均12.2%改定 小児IC運賃・通学定期は据え置きまたは値下げ

つくばエクスプレス TX-3000系
つくばエクスプレス、開業以来初の本格運賃改定を発表 2026年3月実施へ
首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス、以下TX)は2025年8月8日、2026年3月を目途に運賃改定を実施すると公式サイトにて発表しました。
消費税率変更を除けば、開業以来初となる本格的な改定で、平均改定率は12.2%(定期外8.2%、通勤定期20.2%、通学定期△15.3%)となります。
今回の改定は、2005年の全線開業から20年を経て、鉄道施設や設備が一斉に更新時期を迎える中、安全・安定・安心輸送の維持・向上とサービス改善のための設備投資を継続するために行われます。2026~2028年度には、変電所やホームドアの更新、8両編成化事業、総合基地整備、新型車両(TX-4000系)導入検討、タッチ決済やQR乗車券システム導入など、総額約382億円の投資を予定しています。
また、TXは独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構からの鉄道施設譲渡に伴う債務約4,163億円(2024年度末時点)の償還を今後約20年間続ける必要があり、経営基盤強化のためにも改定が不可欠としています。
改定後の普通旅客運賃は、大人IC初乗りが現行168円から180円に、最長区間は1,205円から1,280円に変更されます。通勤定期は割引率が現行40.6%から37.4%に見直されます。一方で、子育て世代の負担軽減策として、小児IC運賃は13キロまで据え置き、14キロ以上は200円均一、通学定期は大幅な割引拡大が行われます。
TXは「今後も地域とともに沿線価値の向上に努め、安全で快適な鉄道輸送を提供し続ける」とコメントしており、正式な改定日は確定次第改めて発表される予定です。