― 緊急放流は終了も、今後の天候次第で再開の可能性 ―

現在の現場の様子
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故に関連し、県は3月3日、陥没した穴の中であふれ続けていた下水を減らすために行っていた緊急放流を本日で終了すると発表しました。
この事故は、今年1月28日に発生しました。陥没により1台のトラックが穴に転落し、運転手の男性(74)の安否は現在も不明のままとなっています。県や関係機関は捜索再開に向けた準備を進めていますが、陥没した穴の中では下水道管の破損により汚水があふれ続け、作業の大きな障害となっていました。
そのため、県は事故発生翌日の1月29日から、春日部市のポンプ場を経由し、新方川へ汚水を排出する緊急放流を実施していました。しかし、その影響で周辺住民から「強い臭いが発生している」との苦情も寄せられていました。
バイパス設置とバキューム車活用で放流を終了
県によりますと、陥没した穴を迂回する形で下水のバイパスを設置し、バキューム車を活用した処理が効果を上げたため、緊急放流を終了する判断に至ったということです。
大野元裕埼玉県知事は、これについて「ポンプ場から直接汚水を流していたため、一部地域では臭いの問題がありました。しかし、放流の終了によりその心配はなくなりました」と説明。一方で、放流を行っていた地点の清掃が必要であり、今後も汚水を排出していた地域におけるモニタリング検査を続けていく考えを示しました。
今後の天候次第で再開の可能性も
今後の懸念点として、県は「雨や雪の影響次第では再び緊急放流を実施する可能性がある」としており、引き続き状況を注視していく方針です。
また、行方不明となっている運転手の捜索については、下水の影響が減ったことで進めやすくなったものの、安全面の確認を含めた慎重な対応が求められています。県や関係機関は今後も事故現場の管理を徹底しながら、対応を続けていくとしています。