安否不明の74歳男性の捜索が本格化へ──下水道管の破損と水量調整が鍵
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埼玉県八潮市で先月28日に発生した大規模な道路陥没事故は、いまだ安否が確認されていない74歳男性の捜索活動が続く中、重要な進展を迎えました。
埼玉県が実施していた下水道管の上流部でのバイパス工事が完了し、本格的な救助活動が進む見通しです。
現場状況と事故の経緯
この道路陥没事故は下水道管の破損が原因とされており、深さおよそ15メートルにも及ぶ巨大な穴ができています。
穴に転落したトラックに乗っていた74歳の男性は、事故から1週間以上が経過した現在も安否が確認されていません。
5日には、ドローンによる調査で陥没現場の100メートルから200メートルほど下流の下水道管内でトラックの運転席とみられる部分が発見されました。この発見を受け、救助活動は新たな局面を迎えています。
バイパス工事の完了とその役割
今回完了したバイパス工事は、現場の穴にあふれ出ている汚水や、下流部に流れ込む水の量を減らすためのものです。
上流部で汚水の一部をもともとある水路にう回させることで、水の流入量を調整し、救助作業が行いやすい環境を整えます。しかし、毎分4立方メートルと下水道管全体から見れば一部にとどまるため、さらなる調整が必要とされています。
本格的な救助活動への準備
県は今回のバイパス工事を活用し、現場の穴にあふれる汚水を減少させ、救助隊がより安全に作業できる環境を確保する方針です。
現在の焦点は、運転席部分が見つかった下流部を中心に、トラックの残存部分や男性の行方を捜索することにあります。
今後、さらなる調査や水量の調整を通じて、行方不明の男性の一刻も早い発見を目指します。八潮市の地域住民からも無事を願う声が相次いでおり、事態の進展が期待されます。