「春日部」から地域名を独立へ――知名度と地元愛を育む“走る広告塔”、図柄入りは2029年の導入を目指す

草加市を走る車に、「草加」の文字が掲げられる日が近づいてきました。
草加市は、ご当地ナンバープレート「草加」の実現に向け、2026年9月に埼玉県を通じて国へ導入の意向を示す方針です。手続きが順調に進めば、早ければ2027年11月頃から「草加」ナンバーの交付が始まる見通しとの報道がありました。
草加せんべいや草加松原など、全国にも知られる地域資源を持つ草加市。新たなナンバーには、まちの名前そのものを全国へ届ける「走る広告塔」としての役割が期待されています。
■要件緩和で「草加」が導入可能に
ご当地ナンバーとは、自動車のナンバープレートに、運輸支局などの名称とは異なる地域名を表示できる制度です。地域の知名度向上や観光振興、住民のまちへの愛着を育むことなどを目的に、2006年から導入されています。
草加市内で登録される車は、現在「春日部」ナンバーです。同じ管轄区域だった隣接する越谷市は、2014年にご当地ナンバー「越谷」を導入しましたが、草加市は登録車両数の要件を満たせず、市単独での導入が難しい状況にありました。
その流れを変えたのが、2026年4月に発表された制度の見直しです。国土交通省は、単独の市区町村がご当地ナンバーを導入する際の登録車両数の要件を「10万台超」から「7万台超」へ緩和しました。▶国土交通省の発表
草加市の登録車両数は、2026年3月31日時点で7万5,205台。新たな基準を上回ったことで、「草加」ナンバー実現への道が開かれました。
■市民の意向を確認、地域団体からも導入を望む声
ご当地ナンバーの導入には、車両数だけでなく、地域住民の合意形成も必要です。
草加市では2026年5月下旬から7月上旬にかけて、無作為に抽出した18歳以上の市民3,000人を対象に▶アンケートを実施。「草加」ナンバーへの変更と、現在の「春日部」ナンバーの継続のどちらがよいか、市民の意向を確認しました。
市内の商工団体や町会連合会などからは、以前から導入を求める声が寄せられており、市はアンケート結果を申請に向けた資料として活用する予定です。
草加市は東京都足立区に接し、都内へ通勤・通学する人も多いまちです。だからこそ、日常的に目にする車のナンバーに「草加」の名が入ることは、知名度の向上だけでなく、住民が自分たちのまちを意識するきっかけにもなりそうです。
■図柄入りナンバーは2029年5月頃を予定
草加市では、地域の特色をデザインした「図柄入りナンバープレート」の検討も進めます。
図柄の候補として期待されるのは、全国的にも知られる「草加せんべい」や、旧日光街道沿いに続く松並木「草加松原」など。正式なデザインは、市民の意向を踏まえながら決める予定で、交付開始は2029年5月頃が想定されています。
図柄入りナンバーは希望者が選択するもので、通常の無地のナンバープレートも選べます。また、図柄入りの対象は登録自動車と自家用軽自動車で、バイクは対象外とのことです。▶草加市の案内
■今の「春日部」ナンバーはそのまま使える?
「草加ナンバーが始まったら、現在のナンバーも交換しなければならないの?」と気になる方もいるかもしれません。
導入後も、すでに交付されている「春日部」ナンバーは、そのまま使い続けることが可能。一方、希望すれば「草加」ナンバーへ変更することも可能です。
交付開始後、市内で新たに普通自動車や排気量126cc以上のバイクを購入した場合、または市内への転入などでナンバー変更が必要になった場合は、原則として「草加」の地域名が表示されます。なお、図柄入りナンバーを選べるのは自動車のみです。
■まちの名前を載せて全国へ
草加せんべいや草加松原だけでなく、長い歴史や文化、暮らしやすさを持つおとなりの草加市。それでも、市外の人から「埼玉県のどの辺り?」と聞かれた経験がある方は、少なくないかもしれません。
車とともに全国を走る「草加」の二文字は、まちの場所と名前を伝える小さな看板になります。そして市民にとっても、ふるさとの名前を日常の風景の中で目にする機会が増えることになります。
長く親しまれてきた「春日部」ナンバーから、まちの名前を掲げる「草加」ナンバーへ。実現すれば、単なる表記変更にとどまらず、草加らしさを地域内外へ発信する新しい一歩となりそうです。













