税収は増加も支出も拡大 新庁舎や福祉費が与える影響とは

八潮市役所
八潮市は、平成21年度から令和6年度までの財政状況(普通会計)をまとめた資料を公表しました。
数字が並ぶと難しく感じがちですが、内容を見ていくと「市のお金の使い方や増え方」がしっかり見えてきます。今回は、そのポイントをできるだけわかりやすく解説します。
※元資料は▶こちら
■まずは基本:「市の家計」と考えると分かりやすい
市の財政は、家庭の家計に置き換えるとイメージしやすくなります。
- 歳入(収入):給料やボーナス
- 歳出(支出):生活費や住宅費
- 市税:主な収入(給料)
- 地方債:借金(住宅ローンなど)
- 基金:貯金
この視点で見ると、八潮市の財政の変化がぐっと身近に感じられます。
■収入も支出も大きく増えた15年

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
まず大きな変化として、八潮市の「家計の規模」はかなり大きくなっています。
- 収入(歳入):約147億円増
- 支出(歳出):約120億円増
これは、
- 人口増加
- 国の支援(コロナ対策など)
- 新庁舎の建設
といった要因が重なったためです。
つまり、「まちが成長した分、お金の出入りも大きくなった」という状態です。
■収入の柱「市税」はしっかり増えている

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
市の主な収入源である市税は、着実に増えています。
15年前と比べて→ 約40億円増加
これは、つくばエクスプレス開業以降の人口増やまちづくりの進展が影響しています。
ただし重要なのは、「支出の増え方のほうが大きい」という点です。
つまり、
- 収入は増えている
- でも支出もそれ以上に増えている
という構図になっています。
■足りない分は「借金」と「貯金」でカバー

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
大きな事業を行うには、収入だけでは足りません。そこで使われるのが
- 地方債(借金)
- 基金(貯金)
です。
●借金(地方債)
現在は約240億円→ 昔より減っているが、近年は一時的に増加
●貯金(基金)
現在は約61億円→ 最近は減少
これはまさに家庭でいうと「家を建てるためにローンを組み、貯金も使った」という状況に近いです。
■将来の負担は?実はちょっと重め

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
市の将来の負担を表す指標として「将来負担比率」があります。
八潮市は→ 55.4%
これは
- 国の示す早期健全化基準よりは低い(=問題なし)
- ただし他の自治体よりはやや高め
という位置です。
理由は主に土地区画整理や、新庁舎整備といった大型事業です。
つまり、「今は健全だけど、将来の支払いはやや重い」という状態です。
■支出の中身に変化「福祉費」が大きく増加

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
支出の内訳を見ると、特に目立つのが「扶助費(福祉費)」です。これは
- 子育て支援
- 高齢者福祉
- 医療など
に使われるお金です。
この扶助費は→ 約2.2倍に増加
つまり「人に使うお金が大きく増えている」ということです。
■自由に使えるお金は減ってきている

八潮市財政の状況(普通会計)資料より
もう一つ重要なのが「経常収支比率」です。これは簡単に言うと「毎月の固定費の重さ」のようなものです。
八潮市は→ 90%を超えた
これは
- 人件費
- 福祉費
- 維持費
などが増えているためです。
つまり「自由に使える余裕が少しずつ減っている」というサインでもあります。
■まとめ:八潮市の財政はどう見ればいい?
今回の内容をシンプルにまとめると
◎良い点
- 人口増で税収が伸びている
- 借金は長期的には減少傾向
- 財政は基準内で健全
▲気になる点
- 支出が大きく増えている
- 福祉費など固定費が増加
- 将来負担はやや高め
■これからのポイント
今後の注目はこの3つです。
- 税収をどこまで伸ばせるか
- 支出(特に福祉費)をどうコントロールするか
- 借金と貯金のバランス
八潮市は「成長しているまち」だからこそ、その成長をどう持続させるかが問われています。
数字だけでは見えにくい財政の話も、こうして見ていくと「まちの未来」に直結していることがよく分かります。
<Hacchinさん>
「やしおん」運営代表。ずっと八潮の人。30年近くネットの世界にいます。
長年ベンチャー企業でエンタメ業界や株式公開など、色々ともまれまして、現在本職は小さなゲーム会社の管理部長。BBQインストラクター資格。とある町会役員。











