三郷市のレンタル会社が事業継続断念 キャンピングカー業界の再編加速も

共和橋からビバホーム方面を進み、右側にファミマが見えてきますが、その手前にあるトレーラービレッジ。外国製のキャンピングカーが多く並んでいた印象で、見覚えのある方も多いのでは。
キャンピングカーの輸入販売やカスタマイズを手がけるトレーラービレッジ(埼玉県三郷市)が、2025年7月1日付でさいたま地方裁判所越谷支部より破産手続き開始の決定を受けたと埼玉新聞が報じました。事件番号は、令和7年(フ)第418号、負債総額は約1億3千万円に上るとのこと。
同社は2009年2月に設立され、キャンピングカーやトレーラーを専門に、イベント向けのレンタルやカスタム車両の販売を行ってきました。広告代理店などのイベント需要に応えるかたちで、2018年1月期には年商約2億3千万円を記録するなど業績を伸ばしましたが、コロナ禍以降はイベント案件が激減。2024年1月期の売上は約5千万円まで落ち込み、3期連続の最終赤字により資金繰りが逼迫していたとのことです。一時期、こちらでAmerican Kitchen(アメリカンキッチン)というハンバーガーショップも営業されていました。
今回の破産は、イベント需要への依存が高かった事業モデルの限界を示すものとされ、業界関係者の間では同様の経営形態をとる中小業者への波及も懸念されています。一方で、アウトドアや個人旅行の需要を背景としたキャンピングカーの一般向けレンタル市場は堅調に推移しており、業界全体の構造的な後退にはつながらないとの見方もあります。
今後は、中小事業者を中心に経営戦略の見直しや市場再編が進む可能性もあり、キャンピングカー業界の動向に注目が集まります。