初乗りは180円に 定期券は通勤値上げ・通学値下げ 子育て世代への配慮も

つくばエクスプレス 八潮駅
つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道株式会社(本社:東京都千代田区)は2025年4月11日、2026年3月を目途とした運賃改定の上限変更認可申請を国土交通大臣に提出しました。消費税率の引き上げを除くと、2005年の開業以来初の運賃改定となります。
今回の申請により、普通運賃の改定率は平均12.2%となり、大人の初乗り切符運賃は170円から180円へと引き上げられます。また、つくば駅から秋葉原駅までの運賃は、現行の1210円から1280円へと改定される予定です。
定期券も見直され、通勤定期の平均割引率は現行の40.6%から37.4%へ縮小し、実質的に値上げされます。一方で、通学定期については60.4%から70.0%へ割引率が拡大され、負担が軽減される方向です。さらに、小学生を対象とした通学定期は、乗車区間が19キロ以上の場合でも1か月あたり5,000円の定額制とする新たな料金体系が導入されます。

つくばエクスプレス TX-3000系
また、子育て世代への配慮として、ICカードを利用した小児運賃は、乗車距離が14キロ以上の場合でも一律200円となります。つくば駅から乗車した場合、みらい平駅から先が対象区間となります。
運賃改定の背景には、老朽化が進む車両や施設の大規模更新、さらには2030年代前半を見据えた車両の長編成化による混雑緩和対策など、多額の設備投資が必要であることが挙げられています。加えて、建設主体に対する債務残高約4,357億円の償還が今後約20年間にわたり毎年約200億円発生する見込みであり、持続可能な経営の実現が急務とされています。