83歳男性の冷静な対応が決め手に

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埼玉県八潮市で、詐欺グループによる現金受け取り役の少女(16)が逮捕される事件が発生しました。埼玉県警草加署は12日、詐欺未遂の容疑で東京都八王子市在住の無職少女を現行犯逮捕しました。
「長男を名乗る電話」から始まった詐欺未遂
12日午前10時20分ごろから、八潮市在住の男性(83)のもとに「長男」を名乗る電話が何度もかかってきました。電話の内容は、「電車の網棚にかばんを置き忘れた」「重要な書類が入っていて、このままでは信用問題になる」「会社に損失を与えてしまったので700万円が必要」などと、不安をあおるものでした。
さらに、詐欺グループは「上司が一部立て替えてくれるから200万円だけ用意してほしい」と、より現実的な金額を提示。追い詰められた男性でしたが、念のため長男本人に確認したところ、全くの作り話であることが判明。すぐに草加署へ通報しました。
「だまされたふり作戦」で受け子逮捕
通報を受けた警察は「だまされたふり作戦」を実施。男性の自宅で待機し、現金を受け取りに来た少女をその場で取り押さえました。少女は「お金が欲しくて受け取りに行った」と容疑を認めています。
広がる詐欺被害、高齢者の冷静な判断が鍵に
今回の事件では、男性が長男に直接確認したことで詐欺が発覚し、被害を未然に防ぐことができました。しかし、特殊詐欺は依然として全国各地で発生しており、警察は「家族を名乗る急な金銭の要求には十分注意し、必ず本人に確認を取るように」と注意を呼びかけています。
今後も詐欺被害を防ぐためには、冷静な対応と、警察や家族との連携が重要となるでしょう。