保護者の話し合い決裂、教育委員会が厳しく指摘
八潮市の市立小学校で昨年度に4年生だった児童が同級生からいじめを受け、転校を余儀なくされたことが各報道にて報じられました。市教育委員会では、学校はこの事態をいじめ防止対策推進法に基づく重大事態と判断していました。
市いじめ対策委員会の報告書によると、児童は昨年11月中旬に担任に「同級生から暴力や悪口を受け、口止めもされた」と訴えました。その後、学校を欠席する日もあったといいます。担任が同級生に確認したところ、「悪口は言ったが、暴力も振るったかもしれない」との回答があったことや、友人たちの証言でも、同級生が児童をけるのを目撃したとの証言がありました。
学校は11月末に児童と保護者、同級生の保護者らによる話し合いの場を設けましたが、児童の保護者が謝罪を求めたものの、同級生の保護者は謝罪せずに退席。話し合いは決裂し、児童と保護者は翌日に市教育委員会を訪れ、転校の意向を伝えました。12月中旬に転校の申請があり、学校はこれを重大事態と判断して市教委と市長に報告しました。
市いじめ対策委員会は、担任の聞き取り調査により、同級生による児童への暴力と双方の悪口の存在を確認し、いじめがあったと結論づけました。校長と教頭は対策委員会に対し、対処が足りなかったことにより転校を余儀なくされた児童の保護者に対し謝罪の意を示しました。
報告書では「学校は話し合いまでの準備が不足していた。保護者に寄り添った対応が求められた。再度話し合いの機会を設ける努力が必要だった」と厳しく批判しています。
この対策委員会は、保護司や公認心理師ら5人で構成され、今年1月から6月にかけて審議を実施していました。