下水道管の点検不備を指摘 新たな技術導入へ県が再発防止策
昨年1月、八潮市内の県道で突然発生した大規模な道路陥没事故。深さ約5メートルの穴にトラックが転落し、運転手の男性が亡くなるという痛ましい事故となりました。その後、陥没は拡大し、最終的には幅約30メートル、深さ約10メートルにまで広がりました。
事故原因を調べてきた第三者委員会は今月19日、最終報告書を公表しました。報告書では、下水道管の内部で発生した硫化水素によってコンクリート管が腐食し、地中に空洞が生じたことが陥没の直接的な原因だったと結論づけています。
実は事故の約4年前、2021年度の定期点検で、現場周辺の下水道管には腐食が確認されていました。しかし、下水の流れが速く、人が入れない区間だったため、水に浮かべるカメラでの調査に限られ、陥没箇所直下の映像は水しぶきなどの影響で十分に確認できなかったといいます。
それでも県は、この区間を3段階評価のうち「中度」のランクBと判断し、追加の精密調査は行いませんでした。報告書は、「通常以上の意識を払えば腐食リスクの高まりを推測できた可能性がある」として、評価や対応に不備があったと指摘しています。
一方で、当時の技術水準では地表から陥没の兆候を捉えることは難しく、「陥没が予測可能だったとは言えない」とも結論づけました。前例のない事故であり、県の点検手法が他自治体と比べて特段劣っていたわけではないとの見解も示されています。
今後は、映像が取得できなかった区間について再調査を義務づけることや、「評価不能」と明確に記録する仕組みづくりを提言。また、過酷な環境下でも鮮明な映像を取得できる機器の開発や、飛行型ドローンの活用など、新たな点検技術の導入も検討されています。
事故から1年。現場周辺には今も大きな傷跡が残り、下水由来の臭気への不安を口にする市民も少なくありません。今回の報告書は、責任の所在だけでなく、今後どう安全を高めていくのかが問われています。
八潮で起きたこの事故を、全国の教訓へ。二度と同じ悲劇を繰り返さないための取り組みが、これから本格化します。














