人材不足に対応し持続可能な運行体制を整備 一方で他路線では安全面の課題も

東武鉄道株式会社(本社:東京都墨田区)は、将来的な人材不足や社会環境の変化に対応し、持続的な鉄道輸送サービスの確立を目指して、東武スカイツリーライン緩行線(北千住~北越谷間)で2025年度末からワンマン運転を実施すると発表しました。対象は同区間の普通列車で、「THライナー」は除かれます。

該当する緩行線ワンマン運転区間
少子高齢化による労働人口の減少が進む中、同社は効率化と安全性の両立を図っています。今回の導入にあたっては、全駅への可動式ホーム柵の設置(2025年11月末までに供用開始予定)や、停止精度を高める定位置停止支援装置(TASC)の導入、車内防犯カメラの100%設置など、安全対策を徹底しています。さらに、ホーム上の映像を運転士が確認できる乗降確認モニタ(CCTV)や、非常通報装置操作時に指令所へ通話が転送されるシステムも導入し、万一の際にも迅速な対応が可能な体制を整えます。
東武鉄道では「運転士一人でも安全・安心に運行できる高度な運行体制を構築し、さらなる安定性を目指す」としています。
他路線で見える課題
一方、ワンマン運転をめぐっては、他の鉄道会社でも課題が指摘されています。
JR東日本の常磐線などでは「10両編成での一人運転は負担が大きく、ホーム監視や緊急時対応に不安がある」といった声が上がっており、地方線区の水郡線ではワンマン化後に案内不足やサービス低下が報告されています。
こうした事例から、運転士の負担軽減や異常時対応の体制強化、利用者への周知と理解促進が今後の課題として挙げられます。
安心と効率化の両立へ
東武鉄道は今後も、路線ごとに最適な安全対策を講じながら段階的にワンマン運転区間を拡大し、「安全」「安心」「持続性」を両立する鉄道運行の実現を目指しています。














