下水を迂回するバイパス工事も計画通り進行

八潮市 道路陥没事故現場
埼玉県八潮市で発生した県道陥没事故を受け、埼玉県は11日、下水道管内に取り残されているトラックの運転席部分に向けて、真上と上流側の2方向から掘削を進める方針を明らかにしました。これに伴い、現場の地盤改良作業を進めるとともに、救出活動のための準備を加速させています。
県は同日、災害対策本部会議を開催し、事故現場の状況と対応策について報告しました。事故ではトラックを運転していた男性(74)が安否不明となっており、県は運転席部分に最短でアクセスできる手法を模索しながら工事を進めています。
2方向からの掘削を決定 安全確保のための地盤改良も
運転席部分は、陥没地点の約30メートル下流に位置しています。県は運転席部分に到達するため、真上の地上から直接掘削する工法と、上流側から掘り進める工法の2つを採用するとしました。これに伴い、土砂崩れを防ぐために「鋼管矢板」を打ち込み、周囲の地盤強化を進めています。
さらに、県はバイパス工事の詳細設計を完了したことも発表しました。下水の流入を防ぐために、縦2メートル、横3メートルの四角い仮排水管(バイパス管)を約65メートルにわたり設置する計画です。このバイパス管は陥没現場上流のマンホール部分に接続し、陥没現場と運転席部分を迂回した後、下流の下水道管に接続されます。工事は昼夜を問わず進められており、スケジュールに大きな遅れはないとしています。
知事「最速で最善の方法を採用する」
今回の事故を受け、国土交通省の有識者委員会は11日、全国の大規模な下水道管の点検基準や頻度の見直しを議論し、特に腐食しやすい箇所を対象とした「特別重点調査」の実施方針を承認しました。
県は引き続き、迅速な救出活動と下水道の復旧工事に尽力するとしています。