「前例のない難度」、バイパス工事の課題山積
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埼玉県八潮市で発生した県道の陥没事故から1カ月が経ちました。事故当時、トラックとともに行方不明となっていた74歳の男性運転手は、現場近くの下水道管内で見つかった運転席部分の中にいるとみられています。
しかし、捜索は難航しており、県は下水を迂回させるバイパス工事を計画。だが「地盤が弱く、前例のない難度」という見解にくわえ、住民からは震動や悪臭への不安の声も上がっています。
拡大した陥没、難航する救助活動
事故は1月28日午前に発生。当初、陥没の大きさは幅3メートルほどだったが、その後も新たな陥没が発生し、規模が拡大。県や消防は当初、陥没した穴の中へ続くスロープを造り、重機を投入する方法で救助を試みましたが、下水道管からの水が作業を妨げたため、捜索は困難を極めました。
2月11日、陥没地点の下流約30メートルの下水道管内に運転席部分があると断定。これを受け、県は下水を止めるためのバイパス工事を決定しました。
前例のない工事、住民の不安
バイパス工事では、運転席部分の上流側にある内径約4.7メートルの下水道管を封鎖し、マンホールからせり上がった下水を地中に設置する仮排水管へと流し、運転席部分より下流へ排水する計画です。
しかし、地盤が弱いことから、工事の難度は高く、過去に類を見ない難しい作業であるとのことです。
さらに、周辺住民からは工事による震動や悪臭への懸念の声が相次いでおり、長引く工事で生活に影響が出るのではないかと不安視しています。
捜索の進展には慎重な工事が求められるが、課題は多く、長期化する可能性もあり、今後の県の対応が注目されています。