市教育委員会が将来の学校給食方針を発表 児童生徒の健康を重視した施策
八潮市教育委員会は、学校給食審議会からの答申を受け、市の学校給食の未来を見据えた「八潮市学校給食ビジョン」の策定に取り組んでいます。
これは、令和2年に発生した大規模な食中毒事故を受け、学校給食のあり方に対する関心が高まったことに端を発します。
学校給食審議会の答申を受けて、八潮市教育委員会は市の将来的な社会状況や学校給食法に基づき、安全かつ持続可能な学校給食の在り方を総合的に検討。
令和4年11月に八潮市学校給食ビジョンの中間報告が決定され、令和6年2月に最終的な決定が行われ、令和6年3月26日に報道発表がおこなわれました。
八潮市学校給食ビジョンでは、以下のような主な内容が含まれています。
- 給食の現状と課題:
八潮市の学校給食は、公設の調理場がないため、市内の給食事業者がデリバリー方式で給食を提供しています。栄養士の配置や衛生管理に関する課題も明らかになっています。 - 学校給食基本方針:
安全かつ栄養バランスの取れた給食を提供し、食育の推進や食物アレルギーに対応することを基本方針として掲げています。 - 学校給食提供方式の検討:
現行の提供方式に加えて、公設センター方式の導入を検討しています。公設センター方式は衛生管理や柔軟な対応性に優れており、将来的な安定性も考慮されています。 - 学校給食施設の方向性:
公設センターを中心にした集中的な衛生管理を行い、安全性を確保する方針を打ち出しています。
このほか、建設用地の確保や施設整備、維持管理、運営の事業手法についても具体的な検討が行われています。今後はこれらの課題に対して着実に取り組んでいく方針です。
教育委員会は、学校給食を通じて児童生徒の健やかな成長を支え、安全で美味しい給食を提供するための取り組みを進めていく意向を示しています。
以前より、この給食問題については、一部で自校式での対応等も求められてきましたが、設備面やメリット・デメリットの面からも、公設センター方式での検討になったようです。
一般的に、センター式でのメリットとして、管理の一元化により衛生管理、食物アレルギー対応、異物混入の防止等の実施について徹底することができることや、運営、管理を一元的に実施することができる等といったことが挙げられます。
またデメリットとしては、調理から喫食までの時間が自校式より長くなることや、複数校を一括管理することから、学校行事等の個々の状況に即した対応には一定の制限がある等といった事柄が挙げられます。
上記の記述のように、現行の提供方式に加えて、新たな提供方式を加えることで、リスク分散の観点や、災害時などの緊急事態にも柔軟に対応できる体制を構築することも可能となります。
全国の自治体でも、この公設センター方式は数多く導入されており、近々では京都市が市立中学校の給食センター方式を導入を検討、生徒への給食提供を目指し、給食センター方式の導入が計画されています。令和10年度中の開始を目標にしています。
令和2年に起きた事故から4年、新しい展開を期待しています。