中大規模木造建築を支える設計効率化とコスト削減を実現
規格化された接合金物により、設計の手間を軽減し、木造建築の新たな道を開く
住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)と、八潮市西袋に本社を置く株式会社カナイグループ(社長:金井 亮太)は、中大規模の木造建築推進の新たな一歩として、木造の小梁と鉄骨やRC造の大梁・柱を接合するための革新的な混構造用接合金物をこの1月に発売しました。
この技術革新は、設計業務の省力化とコスト削減を目指し、建築分野での木造化を促進することを目的としています。
開発された接合金物は、構造上の要求性能に応じた6種類の規格化された形状を提供し、これまで特注が必要だった混構造の接合部をローコストで設計可能にします。規格化により、設計者は接合部の細かい計算から解放され、設計作業の大幅な効率化が実現されました。
接合金物の設計は、耐力と施工の容易さに重点を置いています。木造小梁の接合部には、高い耐力を確保するためのドリフトピンを配置し、梁下端の千鳥配置によって木材の割裂破壊を防ぎます。また、鉄接合部には、高力ボルト接合を採用し、鉄骨梁と同様の組立手順で施工が可能です。これにより、木造小梁の現場での取り付けが容易になり、木造建築の普及が一層進むことが期待されます。
耐火性能においても、鉄骨と木材との接合部の規格化を実現し、建築物の安全性をさらに高めています。加えて、第三者機関による性能評価を取得しており、その信頼性と効果が認められています。
住友林業とカナイグループのこの取り組みは、官民が進める脱炭素社会への貢献だけでなく、建築分野における革新的な進歩を象徴しています。
両社は、規格型接合金物の開発と普及を通じて、中大規模建築物の木造化を推進し、建築業界における新たなスタンダードを築き上げていくことを目指しています。