八潮市道路陥没事故から1年 臭気対策を支えるタンクコンテナ物流の現場力

日本コンセプトと無臭元工業が連携 長期休暇中も止まらない薬剤供給体制を構築

無臭元工業と日本コンセプトが連携 復旧現場の環境衛生と災害備えを強化

2025年1月に発生した八潮市の道路陥没事故から1年。復旧工事が続くなかで、地域の生活環境を守るための取り組みも着実に進んでいます。

事故現場では、下水に由来する硫化水素などの臭気が発生しやすい状況が続いています。周辺で暮らす市民の生活環境に配慮しながら、現場作業の安全も確保する。その両立を支えているのが、無臭元工業株式会社(東京都足立区)と日本コンセプト株式会社(東京都千代田区)の連携です。

無臭元工業が担う「臭気対策」の最前線

無臭元工業は、薬剤の開発・製造・販売を手がける環境衛生分野の専門企業です。事故発生当初から現場および関連施設に対し、臭気抑制薬剤の提供を継続。周辺地域への影響を最小限に抑えることを最優先に、環境衛生保全に取り組んできました。

復旧工事が長期化する中で課題となったのが、薬剤を安定的かつ継続的に供給する体制づくりでした。とくに年末年始などの長期休暇中でも、臭気対策を止めない仕組みが求められていました。

日本コンセプトが支える「物流インフラ」

無臭元工業と日本コンセプトが連携 復旧現場の環境衛生と災害備えを強化

そこで協力したのが、日本コンセプトです。ISOタンクコンテナによる危険物・化学品物流を専門とする同社は、薬剤の性状や安全性を踏まえたうえで、現場に最適なタンクコンテナの配置計画を設計しました。

1基あたり25トンの容量を持つタンクを4基現場に配置。これにより補給頻度を抑え、省力化・省人化を実現。長期休暇期間中でも通常と変わらない供給体制を維持できる仕組みを構築しました。

薬剤の専門性を持つ無臭元工業と、化学品物流の専門性を持つ日本コンセプト。両社の強みがかみ合うことで、現場の負担軽減と地域への配慮を両立する体制が整えられています。

2011年3月の東日本大震災によって市内の全ガソリンスタンドが使用不能になった陸前高田市では、震災の翌月に仮設給油所が設置されました。この時ガソリン・軽油の保管用タンクとして、特別認可を受けて利用されたのが日本コンセプトのISOタンクコンテナです。

無臭元工業と日本コンセプトが連携 復旧現場の環境衛生と災害備えを強化

東日本大震災の“被災地支援”ではISOタンクコンテナが活躍

15年以上続く信頼関係

両社の関係は約15年前、日本コンセプトの工務部門での臭気問題改善相談をきっかけに始まりました。業界は異なりますが、化学品・薬剤を扱う専門企業としての技術交流を重ね、信頼関係を築いてきたといいます。今回の事故対応は、その長年の連携が土台となったプロジェクトです。

防災面でも八潮市と連携

さらに無臭元工業は、令和8年1月16日、八潮市と「災害時における携帯トイレ等の供給に関する協定」を締結しました。

災害発生時に携帯トイレなどを迅速に供給し、避難所や被災地の衛生環境を守ることを目的としたものです。加えて、平時からの防災・備蓄に関する啓発活動でも市と連携していく内容となっています。

事故対応だけでなく、将来の災害への備えにも目を向ける姿勢は、地域にとって心強い動きと言えそうです。

復旧工事の現場では、目立つ重機の陰で、環境衛生を支える技術や物流が稼働しています。八潮の暮らしを守るための取り組みは、見えないところで着実に続いています。

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