埼玉県が2025年基準地価を発表 県全体で住宅・商業・工業いずれも上昇傾向、八潮市は利便性高く今後も上昇が見込まれる

市町村平均変動率(住宅地)≪地価調査制度≫ 埼玉県公式サイトより
埼玉県は16日、2025年7月1日時点の基準地価を公表しました。土地取引の指標となる基準地価は、県全体で住宅地・商業地・工業地のすべてが上昇し、住宅地と商業地は4年連続、工業地は12年連続のプラスとなりました。特に商業地は前年比プラス3.0%と、1991年度以来34年ぶりの高い伸びを示しました。
八潮市では、今年1月に県道で陥没事故が発生したものの、住宅地・商業地のいずれも前年比プラス2.9%と堅調に上昇しました。東京に近接し、つくばエクスプレスをはじめとした交通利便性が高い地域であることから、基本的には今後も上昇傾向が続くと考えられています。ただし、地点別に見ると、現場に近い住宅地は他に比べて上昇幅は小さく、通行止めなどの影響を受けた商業地は前年比で横ばいとなっています。
県内全体では、大宮駅西口が38年連続で商業地の最高価格を維持。価格変動率でもプラス10.7%と県内トップとなり、再開発事業による期待感が地価を押し上げています。住宅地では、大型商業施設の開業効果で、所沢駅西側がプラス7.8%と大きな伸びを示しました。
一方、工業地は県南部を中心に上昇が目立ち、川口市本蓮ではプラス7.1%と最高の上昇率を記録。首都高速や外環道沿線の立地優位性が評価されています。
八潮市においては陥没事故の影響が一部で見られるものの、全体としては住宅・商業いずれも上昇基調を維持しており、利便性の高さや東京近郊という強みを背景に、今後も堅調な需要が見込まれています。