下水道管や周辺インフラの復旧工事、事業者補償など計上 国への支援要請も継続へ
八潮市 道路陥没事故現場
埼玉県八潮市で発生した県道の陥没事故に関し、大野元裕知事は6月5日の定例記者会見で、復旧にかかる費用が最終的に「総額300億円規模になる見通し」を示しました。県は対応の一環として、総額41億1030万円を盛り込んだ下水道事業会計の6月補正予算案を12日開会の県議会に提出する方針です。
今回の補正予算案では、復旧関連費用が39億円を占めています。内訳としては、下水道管の復旧工事に7億円、悪臭や騒音対策に13億円、陥没地点の下流で土砂が流入した下水処理施設の復旧に15億円、さらに、工事によって休業を余儀なくされた周辺事業者への補償費用に4億円を見込んでいます。また、職員12人の増員による人件費として2億1000万円も計上されます。
八潮市の道路陥没事故は今年1月28日に発生し、5月2日には県警などによる下水道管内の捜索で、転落したトラックの男性運転手（74）＝千葉県八街市＝の遺体が発見・搬出されました。
県はこれまでにも、国の補助金45億円を含む90億円の補正予算（2月定例会）や、25年度下水道事業会計で58億円（トラック引き上げ費用など）を既に予算化しています。今回の補正を加えると、これまでに計上された復旧関連費用は総額187億円に達する見込みです。
大野知事は会見で「仮配水管の撤去費用や既存インフラの復旧費も今後検討している。引き続き国に働きかけ、住民の負担をできる限り軽減したい」と述べ、引き続き国からの財政支援を求めていく方針を強調しました。
県は、下水道管の復旧を2025年内、道路の復旧を同年度内に完了させることを目標に掲げ、復旧作業を進めていくとしています。
