下水を迂回させ安全性確保、5月中旬の本格捜索開始を目指す

八潮市 道路陥没事故現場の様子
埼玉県八潮市で1月に発生した県道の陥没事故により、トラックごと転落し行方不明となっている男性運転手(74歳)の捜索に向け、県が進めていた下水のバイパス工事が、4月24日に完了しました。県は、5月中旬を目標に本格的な捜索を開始する方針です。
事故は1月28日に発生し、トラックは道路の陥没により下水道管へと転落。運転席部分は現場からおよそ30メートル下流の下水道管内に残されており、男性がその中に取り残されているとみられています。
捜索を困難にしていたのは、大量の下水の流入と硫化水素の発生の恐れでした。県はこれに対応するため、地中に長さ約70メートル、縦2メートル、横3メートルの仮排水管(バイパス管)を設置。上流のマンホールで水位を上げて下水の流れを迂回させ、既存の下水道管に合流させる構造です。
今後は、このバイパス管に下水を流すことで、現場周辺にたまった土砂の撤去や管内の換気(硫化水素の濃度低減)を行い、安全性を確保した上で、消防隊員が管内に入り捜索を再開する見通しです。県はまた、運転席部分を地上から引き上げるための掘削作業も並行して進めています。
この事故では、周辺の地盤も不安定化し、二次災害の懸念から捜索活動は難航していました。県は2月11日にバイパス管設置の方針を発表し、工事を急ピッチで進めてきました。
今後も県は、警察・消防と連携しながら、慎重かつ迅速に捜索を進めていくとしています。