不明のトラック運転手捜索は5月中旬以降に再開予定 県が対策工事の詳細方針を公表

工事の様子
埼玉県八潮市で今年1月、県道が陥没しトラックが転落した事故について、県は4月23日、復旧工法を検討する第三者委員会において、本格的な復旧および対策工事には5~7年を要するとの見通しを明らかにしました。事故では、トラックの運転手である74歳の男性が依然として行方不明のままとなっています。
事故は1月28日に発生し、道路の下を通る直径4.75メートルの下水道管が破損。トラックの運転席部分が管内に残っている可能性があることから、県は現在、下水の流れをバイパスさせる工事や、消防隊員が進入するための掘削作業を進めており、早ければ5月中旬以降にも捜索が再開される予定です。
復旧工事では、破損した下水道管の内側に直径3メートルの新しい管を設置する「更生工法」が用いられ、さらに、事故現場の上流から三郷市の中川水循環センターまでの約4キロメートルにわたり、新たな下水道管を敷設して「複線化」する方針が示されました。これにより、将来的に一方の管が破損しても、もう一方で機能を維持できる体制が整えられるとしています。
また、最下流部の管が破損したことで、上流域の12市町約120万人に対して下水の使用自粛が求められるなど、大きな社会的影響も発生しました。こうした背景を踏まえ、県は複線化により、将来的な点検・修理の際の影響を最小限に抑えることを目指しています。
なお、今回の工事に関しては用地取得の可能性も含まれており、具体的なルートや予算については現在も検討が続けられています。県は今後、復旧方法が確定し次第、周辺住民に対して丁寧に説明を行うとしています。
事故現場の道路については、今年度内に通行の再開を目指す方針です。運転手の救出を願う声が寄せられるなか、今後の救出活動とインフラの再整備に注目が集まっています。