崩落現場の水勢は弱まり、数日以内に重機投入可能に - 下水道管内への転落の可能性も視野
埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没で、行方不明となっている74歳の男性の捜索活動に向けたスロープの工事が進展しています。県によると、31日夕方時点で全体の工程の3分の1ほどが完了し、数日以内には重機を投入して本格的な捜索が可能となる見通しです。
この陥没事故は1月28日、八潮市内の交差点で道路が突然崩落したことをきっかけに発生。その後、周囲で新たな陥没も確認され、2つの穴がつながる形で拡大しました。現場の穴は深さ15メートルに達し、底から8メートル程度の土砂や瓦礫が堆積しているとみられています。
74歳の男性は、陥没時にトラックの運転席部分に乗っていたとされますが、依然として姿が確認されていません。消防は30日から幅およそ4メートル、長さおよそ30メートルのスロープを造る工事を進めており、掘削作業と並行して地盤の強化も石灰を用いて行われました。
現場周辺では、水の流れ込みが捜索活動を妨げていましたが、県が雨水を通す管から川の水が逆流している可能性に対応した結果、31日午後には水勢が弱まったことが確認されました。スロープ完成後、重機を投入して崩落した道路のアスファルトや土砂を撤去し、安全確保の上で本格的な捜索が開始される予定です。
一方で、消防は運転席部分が崩落現場から移動している可能性も視野に入れています。現場地下10メートルに埋まっている直径4.75メートルの下水道管が破損しており、崩落した土砂とともに運転席が管内を移動している可能性が指摘されています。
消防によると、トラックの運転席部分の高さと幅はいずれも2メートル程度で、下水道管が大きく破損している場合には内部に流れ込むことも考えられるとのことです。
スロープが完成次第、専門家による現場の安全性調査が行われた後、トラックキャビンの位置を確認し、救助隊員が手掘りなどで速やかに救出活動に当たる計画です。県や消防は引き続き慎重に状況を見極めながら、行方不明の男性の早期発見を目指しています。