【八潮のキーパーソンたち:各分野で輝く人々】 八潮の音楽人:「MIKKOのライフ&サウンド」 Act.4

八潮市内で活躍するキーパーソンの方を取り上げる、不定期連載の【八潮のトップランナーたち:各分野で輝く人々】シリーズ

mikko

【八潮のトップランナーたち:各分野で輝く人々】第一弾は、現役のボーカリストとして、市内でボイストレーニングスクール「vivify vocalschool」 を開設、そのボイストレーニング講師として活躍されている「MIKKO」さんをフューチャーし、計4回での連載としてリリース致します。

MIKKOさんがなぜボイトレの講師となったのか。MIKKOさんの目指すものとは。最近スタートした「ゴスペル」教室など、MIKKOさんの音楽との関係を赤裸々に語って頂きました。

こんな方がこの街で活躍しているということを知って頂けると幸いです。

vivify Vocal School

MIKKOさんは、現在、県八潮市で受けられるボイストレーニング/​ボーカルレッスンとして、ボイストレーニングスクール「vivify vocalschool」を運営。

本格プロ志向から気軽に基礎を学びたい方まで、老若男女問わす、心・健康・美容・にボイストレーニングは最適と、日々レッスンをおこなっています。

ご興味のある方はぜひお問合せください。


Act4.コロナ禍での目覚め!本格ボイストレーナーとしての覚悟、ゴスペル教室も始動 — MIKKOの音楽物語

コロナ禍を乗り越えて見えた新たな道

はじめまして!埼玉県八潮市を中心に活動しています、vivify vocalschool 講師のMIKKOです!

前回は、ボイストレーナーになる!そして新たな道劇団での挑戦!というお話でした。今回はその続きで、コロナ禍での目覚めと本格ボイストレーナーとしての覚悟、そしてついにスタートしたゴスペル教室について、お届けします。

今回が最終話!!長々私の破天荒な荒くれ苦労話をお読みいただき、ありがとうございます!

本気のロックボーカリストの人生の極めつけが今回のお話になるかと思います!ボイストレーナーとしての道を歩み始めた私が、本格的にこの道を進む決意をしたのは、コロナ禍の厳しい試練を乗り越えたからでした。

ライブハウスの試練と新たな挑戦

Asakusa Gold Sounds

Asakusa Gold Sounds

浅草のライブハウスは2017年2月に立ち上げ。現役当時、お世話になっていたライブハウスのオーナー兼ブッキングをされていた恩人が、新たに経営する浅草のライブハウスで、私が現役で一番最後まで頑張っていたバンド「JARRING」のメンバーが店長に就任。私はなんと事務で入社しました。

やはり、JARRING解散から5年経っていても、JARRINGの名を覚えていてくれた方々が、あのJARRINGのメンバーがやってるライブハウスなら絶対いい箱だよ!!なんて前評判もあったり、店長を努めるJARRINGのメンバーは、解散後に下北沢のライブハウスでブッキングの仕事を5年やっていたので、バンドさんは徐々に集まり、オープン当初からたくさんのアーティストさんが出演してくれました。

音響さんも照明さんも、凄腕の女性2人が立ち上げメンバーに入っていたので、現場はアーティストからの信頼も厚く、順風満帆に営業はスタート。しかし、新規店舗の音響はなかなか落ち着くまでに時間はかかります。毎日毎日朝方までかけて音を作る音響さん。本当大変そうだった。

私はというと、ライブハウスの経理なんて右も左もわからない。この店を潰さないために必死に事務の仕事をこなすことで精一杯。わからないことだらけで、毎日本社に電話しては質問攻め。本当、頭カチ割れそうな日々。

しかし必死に食らいつき、長い労働時間を耐えて耐えて、私は入社から1年で10キロの激太り。ストレスでお菓子を抱え食べ続けていました。仕事が終わるのは24時をまわっているのに、そこから若いスタッフ達とラーメンや焼肉を食べに行くのも日課になりつつ。本当最悪です(笑)。

せっかく元メンバー2人がライブハウスにいるならと、音楽活動も再始動。アコースティックユニット『MIKKO&SHU』や、この浅草のお店が出来る前から細々と遊びで活動を始めたバンド『Horus』でも、自分が働くこのライブハウスに頻繁に出演するようにもなりました。

『MIKKO&SHU』

『MIKKO&SHU』

しかし、みにくく太った私は改めて歌い始めても、そんなに本気が出せません。それに、やはりライブハウススタッフなので、共演者もJARRINGを知らない方々は、なんでスタッフが?といった感じ。キャリアを積んだ、ただのおじさんとおばさん。

またロックを歌い始めてもなかなか当時のような気持ちにはなれませんでした。

しかし、歌う場が断然増えたので、ボイストレーニングの仕事は生徒さんが切れることはありませんでした。浅草のお店でも午前中にレッスンをさせてもらったり、月8回ある休みの中で、浅草で出会ったアーティストさんも、生徒としてレッスンに来てくれたり。ボイストレーナーとしてのキャリアは着実に積み上がっていました。

生徒さんと必死に歌に向き合い続けてるので、40歳超えてからの方が、私自身の歌唱力も確実に上がっていったかと思います。

ライブハウス立ち上げから1年も経たない頃、またも店を流行らす為の話題作りとして、劇団を再始動。過去関わってくれたミュージシャンもお誘いして、あとはフルメンバー新規。しかし、やはり劇団はライブハウススタッフをしながらの稽古は厳しかった…。この1作だけで、本気で幕閉じしましたが、かなり良い作品で終えれたのでもう悔いは何一つありません!!

コロナ禍でのライブハウス存続の戦い

店は2年目に突入。ライブハウスもボイストレーニングも軌道に乗り、売上も立ってきた3年目に、世の中は、あの「コロナ禍」に突入していきます。

私が勤めるライブハウスは飲食店登録だったので、営業は止められてしまいました。それ以前に、メディアではライブハウス叩きが始まっていました。ライブハウスは人が密集し、防音の為、換気もなく、とても危険だと。

はい、それは人気のあるアーティストが出演するごくまれな日だけね。ごくまれな日とは、月4~5日。あとは正直言って、お客さんが0人の日だってあるし、多くて10人前後。これがライブハウスの実情であり真実。今の時代、そんなにライブハウスに人は集まらなくなっていたのです。バンドブームの頃とは違います。

私が勤めていたライブハウスのキャパは250人。残念ながら、そんな大きな箱で多くて10人前後の動員。これのどこが危険なんだ…。ソーシャルディスタンスなんて言わなくても、勝手にソーシャルディスタンス状態よ。

しかもライブハウスは換気がめちゃくちゃしっかりしています。そういう作りじゃないとビルの管理上、営業出来ません。

ここで私のロック気質は爆発です。何も知らねーで。クソメディアどもが(怒)

毎日テーブルひっくり返す勢いの怒り。メディアからもたくさんのインタビュー依頼の電話が日々鳴り響きました。丁寧にお断りしますが、腹わたは煮えくり返るばかり。でも、そんな怒り、どこにも吐き出せません。連日ライブハウスが危険と報じられ、私が過去お世話になっていたライブハウスから軒並み閉店の知らせが入ります。私達の店も限界に達しようとしていました。

その時、社長が、ある策を提案します。

この店を俺は手放すしかない。
その代わり、店長にこの店をオーナーとして引き継いでほしい。
そうすればたくさんの策が生まれる。それがこの店を存続させる唯一の方法だと。

店長は散々悩んだようですが、ここで一大決心。一か八かの勝負に出ました。

ライブハウスへの想い、これまで頑張ってくれたスタッフ達への想い。自分を頼って出演し続けてくれてるアーティスト達への想い。

店長がオーナーとなり再出発!!しかし、このままではあと2ヶ月で潰れる…という状況。

プライドだの、なんだの言ってる場合ではありません。すぐさま、なんと「クラウドファンディング」に踏み切りました。

Asakusa Gold Sounds

Asakusa Gold Sounds

立ち上げからたったの3年。まったく知名度のない新規オープンしたばかりのライブハウスのクラウドファンディング。だからこそ、本気で皆さんに助けを呼びかけました。

すると驚いたことに、これまで出演し続けてくれてたアーティストはもちろん、少し遠ざかっていたアーティストも、さらに解散から8年経っても、JARRINGで繋がっていたバンド仲間、当時のお客さん、ボイトレの生徒さん、皆さんがこぞって力を貸してくれました。

この頃は、毎日毎日泣いていたなぁ…。こんなにも人のありがたみを感じたことは過去ありませんでした。

店は営業出来ませんが、配信だったらOKと、東京都からの許可が出たので、若いスタッフが必死に配信の機材、配信の仕方、など情報をかき集め、安い機材でのテスト配信ライブをMIKKO&SHUで行いました。ファースト配信ライブはiPhoneのカメラ1台。しかもスタッフの私物です。

そして投げ銭も募り、この日のライブはなんとか皆さんに観ていただけて、投げ銭もたくさんいただけて、大成功に終わりました。スタッフ一同、とにかく泣いて喜びました。

この修羅場を乗り切り、新たなライブハウスの形が生まれ、今尚、動員&配信でライブが観れるライブハウスへと展望していきました。今では高級カメラがたくさん導入され、配信ライブの映像も音も、どの店にも負けないハイレベルに達しています。生を体感できない配信ライブは、これまで邪険に思っていたけれど、地方にいる友人や家族、お客様にもリアルタイムで届けられて、何て素晴らしいんだ!と改めて気付くことができました。

浅草のライブハウスは音も照明も良いと評判をいただいていたので、正直、配信への挑戦は並々ならぬものでしたが、それを日々研究し、寝ずにあの頃頑張っていたスタッフ一同が本当に誇らしかったです。

営業が出来ない中、私は何をしていたかというと、スタッフ達の地道な日々の努力や、投げ銭を集う為のボランティア配信ライブに、毎日アーティストが1組づつ出演頂き、その舞台裏の撮影を行い、毎日Youtubeにアップし続けました。私は事務もしながら、撮影&編集の日々。毎日なので、休みなくライブハウスに通い続けていました。

これを機に、私は撮影&編集の腕を日々着実に上げていくのでした(笑)

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​木村 美智子 (MIKKO)

幼少期から母親の影響で昭和歌謡を歌い、音楽の道に進む。中学時代にはバンドブームに乗り、ライブや演劇にも関心を持つ。高校生で全楽器に挑戦するが挫折し、歌に専念。27歳で「JARRING」としてCDリリースするも事務所破綻に直面。

その後、インディーズでの活動に注力し、全国でライブを展開。37歳でバンド解散後、演劇に再挑戦し、劇団vivifyを旗揚げ。ライブハウス「Asakusa Gold Sounds」の運営に携わりながらデザイナーとしても活動。

一時体調を崩すが、これをきっかけに健康に関する資格を取得し、ボイストレーナーとしての新たな道を歩み始める。

現在もバンドと弾き語りで活動を続ける傍ら、個人でボイストレーニング教室を開き、豊富な経験と知識を活かして後進の指導に努めている。JAZZやゴスペルなど多様な歌唱法を学ぶ。独自の経験を基に、歌と精神面のサポートを提供している。

https://www.vivifyvocalschool.com/

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