美術監督 近藤良平が紡ぐ、水を求める不思議な旅 – モドキとヤギのあてどない物語
埼玉県八潮市にある静かで美しい藍染工場が、あるショートフィルムの舞台となりました。
この場所は、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督、近藤良平さんがプロデュースする「埼玉回遊」の一環として選ばれたものです。
「埼玉回遊」は、埼玉県内を巡りながら地域の多彩な文化や歴史を探索するプロジェクト。
近藤さんは約半年をかけて、公募によって選ばれた25カ所の地を訪れました。そしてこの旅の中でショートフィルム「モドキとヤギのあてどない旅」が生まれました。
「水の章」と題されたこの作品は、自分が誰かわからなくなった主人公のモドキと、彼の連れのヤギが織りなす物語で、11月に公開された序章に続く1編のストーリーでは、モドキとヤギが水を求めて水を求めて八潮市の藍染工場「相澤染工場」にたどり着くというもの。静謐な工場の風景と、そこで生まれる絆や出会いが、視覚的にも感動的に描かれています。
このシリーズの新作は11月に公開され、既に多くの注目を集めています。また、3月には彩の国さいたま芸術劇場で「埼玉回遊〈特大号!〉」公演が行われ、プロジェクトの集大成を見ることができるとのこと。埼玉の地で織り成される物語を、ぜひ目にしてみてください。
埼玉回遊
有限会社相澤染工場
近藤良平 プロフィール
1968年、東京都出身、ペルー・チリ・アルゼンチン育ち。
振付家・ダンサー/コンドルズ主宰。1996年に自身のダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げし、全作品の構成・映像・振付を手がける。世界約30ヶ国で公演を開催。NHK総合『サラリーマンNEO』振付出演、NHK連続テレビ小説『てっぱん』、NHK大河ドラマ『いだてん』振付。
0歳児からの子ども向け観客参加型公演「コンドルズの遊育計画」や埼玉県との共働による障害者によるダンスチーム「ハンドルズ」公演(2009年~)など、多様なアプローチでダンスを通じた社会貢献にも取り組んでいる。当劇場では、2006年からコンドルズ埼玉新作公演を行う。
第4回朝日舞台芸術賞寺山修司賞受賞、第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞、第67回横浜文化賞受賞。
2022年4月1日、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督に就任。
彩の国さいたま芸術劇場公式サイトより