ガクエン住宅、コスモ建設が経営難で破産 – コロナ禍や競争激化が影響
八潮市や近隣にもゆかりのある「ガクエン住宅」(東京都葛飾区南水元)が、2024年9月10日、東京地裁より破産手続きの開始決定を受けました。同社は資本金8000万円で、1984年に設立され、長年にわたり戸建住宅の販売や注文住宅の請負などを手がけてきました。さらに、関係会社である「コスモ建設」(資本金1000万円)も同時に破産を申請しており、負債総額は2社合わせて約45億4600万円に上ります。破産管財人には、浅沼雅人弁護士(ときわ法律事務所、千代田区)が選任されています。
ガクエン住宅は葛飾区や足立区を主な営業エリアとして、戸建住宅販売や中古マンションの販売などを展開し、2002年には約92億円の売上を達成するなど、順調に業績を伸ばしていました。しかし、リーマン・ショックや同業他社との競争、さらに新型コロナウイルスの影響により営業活動が停滞。2023年5月期の売上は約41億円に減少し、資金繰りが悪化しました。9月8日には本社に臨時休業の告知が掲示され、事実上の経営破綻が明らかとなりました。
一方、コスモ建設は、1986年にガクエン住宅の工事部門が独立して設立され、同社の木造住宅建築を担当していました。2007年には約29億円の売上を計上するなどの実績がありましたが、近年のガクエン住宅の経営不振の影響を受け、2022年には売上が約12億円にまで低迷しました。最終的にはガクエン住宅とともに破産を迎える形となりました。
八潮市や近隣の住宅市場や関連業者にも影響が予想され、今後の破産手続きの進展が注目されます。