内水氾濫による被害軽減を目指す国・県・市町の連携プロジェクト
昨年6月、台風2号によって大きな被害を受けた中川・綾瀬川流域の埼玉県下流部。春日部市、草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町という7つの市町では、未曽有の浸水被害に見舞われました。この被害の主な原因は、内水氾濫によるものでした。
このような事態を再び防ぐため、国・県・関連市町は手を取り合い、「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトは、内水氾濫に対する早期の対策を目的としています。具体的には、排水ポンプの整備や雨水貯留施設の整備強化など、市町レベルでの排水機能の強化や、堤防整備、可動堰掘削など、国・県レベルでの洪水氾濫対策の加速化を図ります。
また、小型浸水センサーを利用した流域の浸水状況の把握など、ソフト対策の推進も計画されています。
今年度中には、三郷市での堤防整備や吉川市での河道掘削など、具体的な対策が実施される予定です。さらに、庄和地域の中川内水氾濫対策として、松伏町地域での新規放水路の整備も検討されており、そのための調査や検討が進められています。
このプロジェクトにより、約5年間で浸水被害の大幅な軽減を目指します。各関係者の連携により、将来的な災害に対する備えがより一層強化されることが期待されます。
主な取り組み内容
- 排水機能強化
- 市町による排水ポンプ整備や雨水貯留施設の整備など、内水氾濫対策の加速化
- 洪水氾濫対策
- 国や県による河川の堤防整備や可道掘削など、洪水氾濫対策の加速化
- 浸水状況の把握
- 小型浸水センサーの設置による流域の浸水状況の早期把握
事業概要
- 事業期間: 概ね5年間
- 関係機関: 国、埼玉県、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町
- 事業費: 未定(検討中)
今年度の主な取り組み
- 三郷市: 中川の堤防整備
- 吉川市: 中川の河道掘削
- 松伏町: 中川への新規放水路整備の検討
今後の展望
本プロジェクトでは、内水氾濫対策と洪水氾濫対策を組み合わせ、流域全体で浸水被害の大幅な軽減を目指しています。今後も関係機関が連携し、効果的な対策を推進していく予定。